パソコン点訳あれこれ  その2(95年3月)

Qさん→貴方 Dさん→増本

Q:パソコン点訳講習会も中部、西部と開催され、県内のパソコン点訳者も大分増え

てきましたね。

D:お陰さまで、本当に嬉しいことですね。特に西部は目覚ましいものがあります。

浜松の中央図書館にも点字プリンターが導入され早速活動に入っているようで今後が

楽しみです。

Q:第3回講習会は沼津とのことですが?

D:そうです。今回は開催期間を6日間に延長して実施しますので、今までよりはゆ

っくり学べると思います。特に今回は一般募集もしました。東部はパソコン点訳が遅

れていますので、一般の方もこれを機にパソコン点訳を始めていただきたいと期待し

ています。

BASEとは

Q:さて、ここ1、2回パソコン点訳の周辺機器について伺ってきましたが、今日は

パソコン上でのデータのやりとりについて少し教えていただきたいと思います。まず、

最初にファイルについてお聞きします。BASEを動かすとファイル名のとこ ろに

「***.BSE」という文字が出てきますが、一体これは何でしょうか。

D:それをお話する前にファイル名の構成について説明しましょう。ファイル名は主

ファイル名と拡張子という部分からできています。主ファイル名は一般にファイル名

と呼ばれているもので、半角文字8文字以下(全角文字なら4文字以下)で表すこと

になっています。これは書名や題名みたいなものでファイル名を見たらそのファイル

の内容が何であるか分かるような名前を付けます。次に拡張子というものですが、

これは主ファイル名の後にピリオドで区切って半角3文字で表されるもので、一般

ワープロやベースなどの点訳ソフトでは主ファイル名さえ決めれば、拡張子が自動

的に付加されるようになっています。例えば「一太郎」のファイルには「JXW」とい

う拡張子(但し、最近のものは「JSW」や「JAW」が使われている)が、またBASE

では「BSE」 という拡張子がそれぞれ自動付加されます。ブレイルスターという点字

作成ソフトでは「BRL」 が、またBEというIBM系の点訳ソフトでは「BET」が付加

されます。

Q:ということは拡張子を見ると、どのソフトで作ったデータなのかすぐ分かります

ね。

D:その通りです。でも実はそれだけではなく、その他さまざまなファイルの性質を

表しているのです。例えば、拡張子が「EXE」や「SYS」などと書かれているファイル

はプログラムファイルを表し、また、「DIC」 などと付いているのは辞書ファイルで

あることを表しています。難しい話になりますので、ここではソフトが違うと点字や

ワープロの文書の拡張子が違っているんだということだけを覚えておいて下さい。

Q:でも、なぜ同じ拡張子ではいけないのでしょうか。

D:ここが一番問題となるところです。メーカーやソフトによって、データの処理の

仕方が違うため、他のソフトで作成したデータはそのままでは使えない場合が多いの

です。したがって、目的のデータが、そのソフトで使えるかどうか分かること大変

大事なことになるのです。

Q:他のワープロで作成した文書は、そのままでは読めないことがあるなんて不便で

すね。

D:全くです。でも最近のワープロはDOSという環境を使って相互の読み書きが比

較的簡単にできるようになってきていますし、また、相互変換をしてくれるようなソ

フトも有料あるいは無料でいくつか出回っています。

Q:それは嬉しいことですね。これからは互換性のあるものが増えてくるでしょうね

。ところで、拡張子にはいろいろなものがあるとのことですが、それらの拡張子を確

認するにはどうしたらいいのでしょうか。 

D:それを見るには「A>」の後に「DIR/W」 と入力しリターンして下さい。するとA

ドライブに入っているフロッピー内にある、ファイルが拡張子もついて表示されます

。○○○.COM、○○○.SYS、○○○.EXE、○○○.BAT、○○○.BSEなど、いろいろ出

てきます。ここで○○○.BSEとなっているファイルが全てBASEで作成した点字デ

ータということです。あなたが、過去に主ファイル名だけで登録したファイルにも「

BSE」 がついていることが分かります。

点訳データのコピー

Q:ところで利用者から点訳データをフロッピーで欲しいといわれましたがどうした

らいいのでしょうか。

D:それにはいくつかの方法があります。まず一つは目的のファイルの入ったフロッ

ピーを丸ごとコピーする方法です。

Q:具体的にはどういうことでしょうか。

D:世の中にはフロッピーをコピーするためのソフトがたくさんあります。私もいく

つか持っています。このソフトを使うと初期化してないフロッピーにでも丸ごとコピ

ーをしてくれます。

Q:なにかと話題になる違法コピーというのもこのたぐいですね。

D:そうです。市販されているソフトは無断でコピーすると著作権侵害になりますか

ら注意しないといけません。

Q:BASEはどうなんですか。

D:いつかお話しましたようにBASEはフリーソフトですので、コピーは全く自由

です。BASEで作成した点訳データも原則的にはコピーは全く自由です。

Q:コピーソフトはどうしたら手に入りますか。

D:パソコンを扱っている人ならコピーソフト(コピーツールと言う)の一つや二つ

は必ず持っていますので、分けてもらえばいいのです。もし、どうしても入手できな

い方は私まで連絡して下さい。

Q:コピーツールを使わないとデータのコピーはできないのですか。

D:そんなことはありません。ただ丸ごとコピーしたい場合はコピーツールを使った

ほうが作業が簡単ということです。

Q:コピーツールを使わないでコピーするにはどうしたらいいのですか。

D:まずDISKCOPY(ディスクコピー)というプログラムを使う方法がありま

す。ただし、この方法は「diskcopy.exe」 というプログラムファイルが必要なことと

、初期化してないフロッピーにはコピーできないということがあります。

  点訳ボランティアの皆さんが、必要なファイルだけをコピーするとしたら次の2

つの方法でしょう。

  1.BASEのソフト上で、まずコピーしたいファイルを画面に呼び出し、次に

、フロッピーをコピーしたいフロッピーと取り替えて、そのフロッピーに保管を実行

する方法

  2.A>の次に「COPY□[コピー元ドライブ名]:[コピーしたいファイル

   名]□[コピー先ドライブ名]:」と入力しリターンする方法

  1の方法はBASEの使用説明書に書いておきましたので、ここでは2の方法に

ついて少しお話しましょう。

  まず、COPYですが、これはファイルをコピーする時に使うコンピュータへの

命令の言葉です。この命令を使うと1つのファイルをコピーするだけでなく、必要な

ファイルを1度に複数コピーできる大変便利な命令です。「COPY」の後は1文字

空けて[コピー元ドライブ名]を書きます。これはコピーしたい元のファイルが保管

されている、フロッピーが挿入されているドライブ名です。初心者の方はAに設定す

ればよいでしょう(もちろん、この場合、データの入ったフロッピーがBに挿入して

あったらAドライブに差しかえることになります)。次にコピーしたいファイル名を

拡張子まで付けて書きます。最後はコピー先ドライブ名ですので、Bにすればよいで

しょう。こちらにコピーをしておきたいフロッピー(例えば、新しいフロッピーなど

)を挿入しておきます。これでリターンすれば、目的のファイルが、Aドライブに挿

入してあるフロッピーからBドライブに挿入してあるフロッピーにコピーされます。

  ただし、COPYを実行する場合はコピー先のフロッピーは必ずフォーマット

(初期化)されていないといけません。

Q:難しいですが何とか分かりました。つまり、例えば私がBASEで作成したカラ

オケというファイルを利用者にコピーしてあげたいときは、私のフロッピーをAに差

し、利用者に渡すフロッピーをBに差して、「A>COPY A:カラオケ.BSE B:」と入力しリタ

ーンすればいいのですね。

D:その通りです。よくできました。

Q:さきほどCOPY命令はいろいろな使い方があると言われましたが?

D:そうです。いくつもあるファィルのなかから、拡張子がEXEと付くファイルだ

 けをコピーしたり、主ファイル名の最初の文字が「カ」と付くファイルだけをコピ

 ーしたり、あるいはファイル名を変えたりなど、その他にもいろいろあります。で

 も今日はもう時間がありませんので、その話は次回にしたいと思います。

Q:う〜ん残念!では次回を楽しみにしています。今日は有難うございました。あっ

 そうそう、さっき話したコピーツールとやらをいただいてから失礼することにしま

 す。この記事をお読みになっている方でも欲しい方はDさんに電話してみて下さい

。 


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