チエンネットも村の娘たちとおんなじに、パリへ行きたいと思っている。しかし、その彼女が鵞鳥の番さえできるかどうか怪しいものだ。
実をいうと、彼女は鵞鳥を追って行くというよりも、そのあとについて行くのだ。編物をしながら、機械的に、その一団のあとを歩いて行くだけで、あとは大人のように分別のあるトゥウルウズの鵞鳥に任せきりにしている。
トゥウルウズの鵞鳥は、道順も、草のよしあしも、小屋へ帰る時刻もちゃんと知っている。
勇敢なことにかけては雄の鵞鳥もかなわないくらいで、悪い犬などが来ても立派に
彼女は、自分にはまだそれ以上のこともできると堅く信じている。
で、
彼女は
そして一方でチエンネットが、向うに取り残されたまま、てんから人間の力を失ってしまい、鵞鳥たちとおんなじに何の見分けもつかなくなっているうちに、トゥウルウズの鵞鳥はそのままパリへやって来る。