笑顔っていいネ

          T君(4歳)のお母さん


 今年の夏、息子は4才の誕生日を迎えました。4年前に生まれた時、早産で体重は1420g。生まれてから2ヶ月半、病院で過ごした息子に対し、足の障害と発達の遅れを退院時に告げられ、翌月からリハビリが始まりました。
 初めての子供で障害があって、そのためにリハビリにほとんど毎週のように通い、不安と内にこもりがちな、時には卑屈な気持ちになったりという日々を過ごしていました。通院先の先生から「いこいの家」を紹介され、初めて親子教室へ通わせていただいた時、参加されているお母さんや先生方、そして何よりも子供さん達の素敵な笑顔を見ていたら、日ごろの自分そして息子に欠けている何かを感じました。
 入園後の息子は、日を追うごとに変わっていきました。家と病院の往復の時より、表情が良くなり、そして、言葉も出てきました。通園することが本人も楽しくてたまらないようで、最近では園で教わった歌を家で歌ってくれたり、お友達の名前を教えてくれたり・・・。家でも笑顔が多く、最近ではニコッと満面の笑みを浮かべながら、「パパ」「お母さん」って言いながら抱きついてきます。入園前は少々自閉症の気があるかもしれないと言われ、沈んでいた時もありましたが、今では私もあの時の事を笑って話せるようになりました。
 心にゆとりが出来ると不思議なもので、周りの環境について考えてみたり、興味を持ったりするようになりました。その中で、あるTVでサヴァン症候群(障害のある人の中にある特別な能力。例えば、記憶力が人並み以上とか、芸術面に秀でている等を持ち合わせた人々がいるそうです。)について放映しており、まわりの人があたたかく見つめ、応援して才能を伸ばしてあげる環境を作ってあげているとのことでした。残念ながら、日本にはそのような環境は整っていません。息子と外出しても、目の前で冷やかしたりする子供、そしてそれを笑って見る親。そんな姿を見ていると、この国はどうして体や心にハンディキャップを持つ人に対して理解がないんだろうか?と思えてきます。先進国って言われてても、こういう事に対しては後進国だと思えてきました。
 環境的に恵まれない部分が多いのですが、今私たちに出来る事は、成長していくこの子を見守る事、あの満面の笑みが曇らないように支えていってあげる事だと思います。


Copyright(C) 1996 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.175
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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