歩くのが待ち遠しいネ

          Mちゃん(4歳)のお母さん


 かか(お母さん)と車に乗り、家の中を自由自在に走り回っている我が家の小さな娘も5月で5才の誕生日を迎えます。生後2ヶ月目に心臓が悪いと言われ、その後、入院・手術と約2年間。3回目の手術を終えるまではほとんど入退院の繰り返しでした。小学校入学までには、再手術も終了し、何の不自由も無く成長してくれるものと思っていましたが、現実はそう甘くはありませんでした。

 授乳期には水分制限、離乳食が始まっても食が進まず、体重も増えない。とにかく3度の食事が何より憂鬱で、どうして食べてくれないのかと悲しくて涙が出る事もありました。今思えば、無理矢理食べさせようとしても、食べたくないものは食べたくない、焦ってもしょうがない、頭では理解できていても、食べる事イコール大きくなると思い込み、食べさせる事に必死だった私には、心にゆとりが無かったようです。そして食事と共に悩まされているのが、リハビリです。何の不自由も無く普通に育ってきた私たちにとって、お座りをし、ハイハイをし、立ち上がって歩く、教わらなくてもごく自然に身についていくこれらの動作を教える事の難しさを改めて思い知らされました。

 4月から「いこいの家」に通うようになってからは、言語から生活習慣に至るまで、いろいろな意味で成長してくれました。園からの連絡ノートを交換日記のように毎日楽しみに読んだり書いたりしています。朝から晩まで顔を突き合わせていると、悪い所ばかり目に付いて、なかなか新しい発見ができない事も、離れていると見えてくる事もあり、少しは親子らしく、お互い分かり合えるようになってきたかなという気がします。
臆病で子供との関わりがなかなか持てなくて、小さな赤ちゃんが近付いてきただけで怯えていた子が、今では自分から手を差し出す事もあります。私たちの知らない所で、少しずつ関わりを持たせ、接してくださった先生方、お友達、ボランティアの方、お母さん方、多くの方々に感謝します。

 今はまだ制限するものが少ないものの、この先多かれ少なかれ出てくるはず、アレもダメ、コレもダメでいったいこの子の人生は何だったのか、そんな後悔だけはする事の無いよう、多くの事を経験させて、少しでも楽しい毎日を送ってくれる事を祈っています。そして、小さな声でしか呟く事のできない娘が、いつか大きな声で挨拶して、先生方をビックリさせるのが、私たちの夢です。


Copyright(C) 1997 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.178
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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