早くお話したいね

          Sくん(4歳)のお母さん


平成9年9月19日、予定の1日前、朝早く目覚めたお母さんは、5分置きにくる陣痛に驚き、急いで病院に向かいました。病院に着く頃には既に、3分おきの陣痛になっていた為、急いで陣痛室に入り、その後分娩台に上がり2回ほど力むと、あっという間に息子が産まれました。
「あれ、おかしい?産声がない。」
と思ったのですが、先生から「少し小さ目ですが何ともありません。」と言われ、その言葉を信じて、安心して育てていました。
・・・が、6ヶ月になっても首が座らず、月日が経つ程あまり泣かなくなり、初めはぐずぐずしない親孝行な子だなあーと思って感謝していたのですが、表情に乏しく、おなかがペコペコでも泣かない事に気づき、だんだん不安になっていきました。そして、こども病院の先生に診てもらうと、「すぐに精密検査をしなさい」と言われ、それから定期的にこども病院に通うことになりました。大きくなればなる程、親とも目が合わない事が目立ち始め、発育がかなり周りの子と比べると遅れていく事も実感し、こども病院に通うたびに、「3ヶ月の遅れです。」・・・が、「6ヶ月の遅れです。」・・・に変わり、「9ヶ月の遅れです。」・・・と、どんどん差が開いていきました。息子なりには成長していても、かなりゆっくりな為、それがこの子にとっては当たり前の事なんだ・・・と感じ始めて、それ程焦る事なく育てていましたが、いこいさんに入園し、どんどん変わっていく我が子に驚き、「周りの人の努力でこんなに短い間に成長できる子だったんだ。」と改めて実感しました。
息子には無理だから・・・とか、息子には分からないから・・・と決め付けてしまい、いろいろな事を教えてあげていなかった。いつもお母さんは、息子を赤ちゃん扱いしていた。それは、毎日の生活の中で自然に身につき、教えなくてもいろいろな事が出来るようになっていったお兄ちゃんと比べてしまっていたからだ。比較してはいかない。息子を赤ちゃんにしたのは、私自身なんだという事を、いこいさんに入園した事で気づかされ、すごく反省させられる。諦めず、何回も何回も教えてあげれば、できる子だったんだね。今はまだ自分で言いたい事が言えず、イライラして自分の顔を叩き、口から鼻から血を出したりする程怒ってしまう。お母さんも君の訴えたい事が分からず戸惑ってしまう。そんな事の繰り返しだけど、もっともっと、この子の言いたい事が理解出来るように、そしてお話が出来るように促す努力をしていきたいと思います。


Copyright(C) 1997 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.181
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
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