バカ親父

          Kくん(6歳)のお父さん


息子はもうすぐ6才。来春就学の年齢になりました。本来なら入学の喜びと期待で父親としては素直に子供の成長を祝いたいのですが、生れて以来、自分の力で前に進めず、歩けず、言葉を喋ることも出来ない子供の父親として、就学を迎えるにあたりちょっとの喜びと、大きな不安、超特大の期待を抱いています。
日頃から子供と接する時間が少なく、休日も都合で出掛ける事も多く、障害を持つ子の父親として自分自身にも大きな不安をもっています。
この子に6年間何をしてあげたかなと。「いこいの家」に通園をはじめて1年半になります。子供の特徴、興味をしめす事、他の子供さん達との共同生活で教わる遊び、歌など、たくさんの土産を自宅に持ち帰ってきます。毎晩子供と入浴し、寝かす事が私の唯一の日課で、通園日と休園日との就寝が違うのは私の気のせいでは無いと思っています。それだけ通園日は充実していて、休日は親がさぼっているのでしようか。毎朝、いっしょに横で寝てる子供に「おはよう」と声を掛けると、言葉の返事はありませんが、「ぼくはとっくに起きてるぞ」と言わんばかりの満面の笑顔を輝かせ、私の寝起きを晴れやかにしてくれます。
このあいだ、「簡単な親孝行とは一日3回親に笑顔を見せる事」と聞いた事がありましたが同意させられました。この子から多くの事を学びます。社会福祉、障害者施設、障害者に対するボランティア、障害者を持つ家庭環境、各市町村の福祉制度の違いなど、きっかけが無ければ勉強出来ない事を教えられています。 ハンディを抱える息子と健常な子供のどっちが幸せなのかなと考えると親の意見では手の掛らない後者を選びますが、本人は自分が毎日充実しているよと感じているのかもしれません。
彼の喜ぶ好きな遊びと又違う楽しい遊びもあるよと、少しでも教えてあげればと思っています。将来、歩いてでもサッカーボールを追いかけ、「バカ親父」くらいの捨て台詞をしゃべり、私と遊んでくれることを願って、その時のために今、この子に何のサポートをしてあげようかを考えていきたいです。
「いこいの家」を出発に息子にはいろんな事を吸収していって欲しいです。同時に私たちも息子を通じて成長していかなければなりません。
まあ、人生長いからのんびりいこうや。


Copyright(C) 1998 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.199
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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