夢いっぱいのランドセル

          Kくん(6歳)のお母さん


 平成4年11月、次男は4000gと大きな体と共に元気に産声をあげました。
小さい時はおとなしくあまり手のかかる子ではありませんでした。それが2才を過ぎた頃、横目で物を見たり、呼んでも振り返らないなど気になり始めました。言葉の遅れもあったのですが、6才離れた兄も遅かったので時期がくれば…と思い、近くの幼稚園に入れる事にしました。ところが私がみたものは、何をしていいのかわからずに部屋の中でただジーッと座り込む息子の姿でした。この子の発達の遅れを薄々と感じながらも、なかなかそれを異常として結び付ける事ができないでいた為に、息子につらい日々をおくらせてしまいました。行動面で気になる事が多くなってきたので、思いきってこども病院で検査をする事になりました。結果は「自閉症」。覚悟は出来ていたはずなのに、この子の将来を考えてしまうと、涙してしまう毎日でした。
少しでも刺激を与えてやりたくて公園へ連れ出しても大泣きして遊ぶ事がまったくできずに帰ってくる事が多く、自然に家に引きこもりがちな生活を送っていました。このままでは何も変わらない…、でも何をしてあげたら??行き詰まった気持ちで落ち込んでいた頃に、いこいの家の事を知りました。親子教室へ参加しても、やはり泣いてばかりでしたが、「ここならきっと変わる」と手応えを感じる事が出来たので、翌年4月から入園させて頂きました。
泣き虫で甘えん坊、何をするにも慎重だった息子が、2年間のいこいでの生活によって大きく変わりました。一つ一つ焦らず取り組む事によって、排泄面・食事面など、数多くの問題をクリアできたのも、先生方の親身なご指導のお陰と大変感謝しております。少し遠回りをしてしまいましたが、いこいの家でお世話になる事が出来て本当に良かった。まだ伝えたい事を言葉にする事が出来ない為、いらついて大声をあげながら思いきり頭を叩いてしまったりと問題は多く抱えていますが、この春、卒園して、新しいカバンにいっぱいの夢と希望をつめ込んで学校へと新しいステップを踏み出します。せっかく膨らんだ夢がしぼんでしまう事のないよう、大切に見守っていきたいと思います。
いこいの家は、2年間私の心の支えでした。・・・ありがとう。


Copyright(C) 1999 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.203
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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