小さな体に希望をつめて

          Mちゃん(2歳)のお母さん


 2度目の出産ということで、それ自体への不安はなかったものの、健康な子が生まれてくれるかどうか、という不安な気持ちを抱いての出産でした。妊娠6ケ月を過ぎた頃、お腹の子の脳の異常を指摘され、何度かの検査を幾つかの病院で受け、その都度良い方向へ変化している結果を聞き、娘を産む決心をしました。そんな中、平成8年5月19日産声を上げました。その声は弱くかすれているし、子供の顔もほとんど見ないまま、分娩室の中は慌ただしく動いていて、心配するだけで時間が過ぎていきました。
 2日目の朝、母親の手元に来るはずの子供が小児病棟へ移ってしまいました。昨日までは他の赤ちゃんと一緒にベッドを並べていたはずなのに、どういうことなのか落ち着いて考えられませんでした。すぐに小児科の先生より「脳梁欠損」と「咽頭軟化症」という病名の説明を受けました。ガラス越しの御対面、鼻と口から管が入り、小さな体が固定された姿を見た時は体が震えて仕方がありませんでした。自力呼吸では体内の酸素不足になってしまう為の処置だとわかっていても、可愛想で面会の度に涙が出てしまいました。
 それから7ケ月間毎日の面会が日課となりました。ミルクを飲み、食事をする。当たり前だと思っていたことで壁にぶつかりながらも、月日が経つにつれ触れ合いの時間も増え、ようやく我が子として実感できる様になった、というのが正直なところでした。  娘は2歳の誕生日を迎えた時に、いこいの家へ通う様になりました。早過ぎるかもしれないという気持ちを持ちつつの入園でしたが、子供の可能性はどこに隠れているかわかりません。この一年で、ヨタヨタと一人歩きができ、意思表示もはっきりしてきました。何よりも表情豊かな娘に成長してくれて嬉しく思っています。娘には疲れた気持ちをいやしてくれる「笑顔」のパワーがある様で、小さな子に何度となく「余裕をもって!」と励まされてきた様に思います。子供の可能性の芽を摘んでしまうことのない様に毎日をサポートしていきたいと思います。2歳上のお兄ちゃんが「カワイイね」と言ってよく面倒をみてくれる様になりました。子供は子供同士、とても良い笑顔で遊んでいます。将来を思い、落ち込んでいた時期もありましたが、子供たちの成長をみていると親の心配を裏切ってくれるたくましさを感ぜずにはいられません。


Copyright(C) 1999 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.204
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
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