生きてて良かった

          Sくん(5才)のお母さん


平成8年4月11日、午後5時6分に「オギャー、オギャー」と泣いたのが息子でした。
3130gで生まれ、スクスクと育っていった。1歳3ヶ月頃、翔はトコトコ歩き「わんわん、マンマ」と話が出来ていたときのこと、家族で温泉へ行ったのです。息子はママといっしょにはいりました。息子はお風呂が大好きで「あっち」と指をさし「もうー、ママのぼせちゃうよー。」と目を離したときは遅かった。息子は溺水!!
2ヶ月ほどの入院でした。先生は一言「この先は、寝たきりになると思います。」と言われ頭の中が真っ白。手・足は突っ張ってて、そんな翔の姿を見るのが辛くてつらくてママは、よく泣いていた。息子の顔を見たくてお見舞いに来る人たちは一言、「かわいそう」そんな言葉を聞くのがすごくすごくイヤでした。そういう言い方ではなく、「お母さん頑張って、大丈夫だよ。きっとよくなるよ。」と言って欲しかった・・・。

退院後は訓練を繰り返し、少しずつ息子の成長がみられるようになった。 3歳未満でいこいの家へ通園することになり、その頃は今と違って何も出来なかったのに、今はビックリするほど色々なことできるようになり、ママはすごく嬉しいです。あの頃はすごくすごく辛くて辛くてたまらなかったけど、今はすごくすごく嬉しくて嬉しくてたまらないのです。

「昨日はあれが出来た、今日はこれが出来るようになった。」
1週間、1ヵ月後には何が出来るようになるんだろうと毎日がたのしみです。最近、息子を見ていると、あの時、この子がいなかったらきっと今頃思い出すたびママは泣いていたかもしれません。「ああ、生きてて良かった。」と思うのです。

息子に命の大切さを学んだ気がします。今では、わがままで、甘えん坊で、世話好きで、お手伝いが大好きな翔ですが、時にはイライラしてたまらないけど、その笑顔でママの心は安らぎます。
いこいの家の先生方、お友達、そしてお母さん方、たくさんの励まし、たくさんの優しさ、たくさんの思い出をありがとう。いつかまた辛い時が来たら、いこいの家で過ごした楽しい思い出を思い出し、頑張っていきます。

本当にありがとうございました。


Copyright(C) 2001 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.230
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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