世界で一番・・・

          Aくん(5才)のお母さん


目に入れても痛くないとは、こういうことを言うのだろう。泣いていても怒っていても、寝ている時も、笑っている時はもちろんかわいいあっくん。いこいの家では、流行の癒し顔といわれている。
約六年前、難産の末生まれた男の子。お腹の上でへその緒を切られるとき、感激のあまり、赤ちゃんと二人でわんわん泣いた。あの時の気持ちは今も忘れない。自分が世界で一番幸せだと思って暮らしてきた一年半。なんと整った目鼻立ち。大きくなったら、キムタク以上になると確信していた親ばかな私。ところが、喋らない、こちらの言うことがわからない。自閉症だった。二歳過ぎからアトピーになり、今ではキムタクどころか目のまわりが赤く、パンダみたいになってしまったが、やっぱりかわいい。アトピーで夜中もかゆがるから、母も子も年中寝不足のような状態で辛い。アトピーだけでも 大変なのにその上自閉症なのだから 二重苦だ。スーパーへ行けば、洗剤 売り場へ直行。公園では冬でも裸足になり、帽子をとり、滑り台に逆さから登る。他人なら面白いと笑っていられるが、私はこの子の親だ。現実を直視できない日々が続いた。しかし、入園してから今日まで、身辺の面が確実に成長し、言葉の理解力も進歩してきた。喃語でうたう歌のレパートリーもずいぶん増えた。そしてなんと言っても、どんな親子にも負けない母子関係が確立された。目と目で会話できるようになってきたのが、とても嬉しい。
この子の障害をすべて受け入れるのには、まだ時間がかかるかもしれないが、障害児であるなしにかかわらず、私達の子どもである事に変わりはない。私にしかできない育児があるはずだ。自分らしい子育てを今までどおりしていきたい。家族で励ましあったり、喜び合ったりしながら。これからも、世間のいやな目に耐え、辛い思いを何度となくするだろうが、家族みんなで乗り越えていきたい。二歳上の姉、この頃「あっくんは世界一かわいい弟だよ。」と言う。 祖父母たちも暖かい目で見守り、協力してくれる。
いつも親切に相談にのってくれる訓練やことばの教室の先生。そして、 あの優しさ、明るさ、面白さに誰もがはまるいこいの家の先生方。一軒の家に大家族で住んでいるようなそんな所で、あっくんは毎日、大好きな給食をお腹いっぱい食べている。私もそこで知り合った気の合うお母さん達と話をして分かり合えた。いこいの家に通ってなかったら、こんなに元気にはなれなかった。
たくさんの方々のやさしさと励ましで、私はここまでこれました。
〔お姉ちゃんへ)
いつも抱っこしたり、おんぶしたり、くすぐってくれてありがとう。
一緒にお絵かきをしたり、お風呂で遊んでくれるお姉ちゃんが大好きです。ボクは、世界で一番幸せな弟です。


Copyright(C) 2001 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.232
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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