運命的出逢い

          Mくん(5才)のお父さん


私が息子に出逢ったのは四年半ほど前、二歳になる前の頃である。私と息子に血のつながりはない。当時の私は障害のことはもちろん、息子が何故障害をもっているのかすら知らなかった。妻からの話で前夫の暴力が原因ということを聞かされて切ない気持ちだった。「虐待」のニュースが絶えない昨今、身近なところでこんな事が起きているなんて・・・・。

しかし、この出来事がある意味、私と妻、そして私と息子の『運命的出逢い』だったのかもしれない。(そう思っているのは私だけ?)

それからの私の生活は、いつの間にか息子中心になっていた。遊びに出かけるにも、息子の体調や気に入りそうな場所を自分なりに考えてたし、時間が合うときは病院や訓練にも連れて行った。最初の頃は大変だったけれど、オムツ替えや薬を飲ませることもするようになっていた。看護婦さんがわからない発作も見分けるようになっていた。出逢った時の息子は、笑うことや意思表示が全くなかったけれど、風邪で高熱を出してから表情も豊かになった。あの時、初めて見た笑顔は今でも鮮明に覚えている。

つきあっている当時から妻と、息子のこれからのことをいっぱい話してきた。落ち込んでいる妻を励ますこともあった。ケンカもした。別れ話も出た。でも、私の気持ちは妻と息子から離れることはなかった。むしろ二人の存在は、自分の中で「守って行かなきゃ。」と言う存在になっていた。

そんな中、妻が『いこいの家』の情報を聞いて、入園を希望していた。正直、あわただしく引っ越して入籍した感じではあるが、息子にとっては入園できるならそのほうが本人のためでもあると思った。事実、入園してからの息子は、見違えるほどの進歩を見せてくれた。当時はまだ『父親一年生』の私に驚きと感動を与えてくれた。

よく妻が言う。「お父さんを選んだのは息子だからね。」確かに、『子は親を選べない』というけれど、正に私は息子に選ばれたのかもしれない。そうでなければ、妻も私を夫として受け入れてはくれなかっただろう。時間の経過と共に表現の仕方は変わってしまっているかもしれないけれど、妻はもちろん、息子のことを我が子として愛情を注いでいるつもりだ。そして、息子がくれた『運命的出逢い』に感謝して、これからもがんばっていこうと思う。

ps  家族へ、まだまだ未熟者の父だけど、これからもヨロシク!}


Copyright(C) 2001 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.235
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
ボランティア通信from静岡