君の笑顔に乾杯

          Yくん(5才)のお母さん


息子には、高校1年の姉と双子の弟がいて我が家の三人姉弟の長男です。

35週で、分娩を経ての緊急帝王切開で生まれました。この時は、まだ何も知らず、やっと子どもに会えることになった二日目。私は看護婦さんの車椅子を断り,主人は、「頑張っているから、歩いて会いに行ってくれ。」と真っ直ぐ立つことのできない私の体を支え一言。長い廊下を必死で歩き、医療器具をいっぱい付けた保育器の我が子の姿を見た時、主人の胸中が分かりました。あふれ出る涙は止ることがなく、器具を外したら自分では呼吸できない。仮死、蘇生、六時間後の呼吸休止・けいれんと「二,三日が峠」と告げられ、目の前が真っ暗になりました。私は「生きて、死なないで。どんなでもいいから生きて、神様お願い、助けて。」と毎日祈りました。主人は,双子だから二人に勇気を伝えて生きてほしいという思いを込めて、名前をつけました。回復・退院と息子の生命力の強さに本当に感謝しました。

「成長は遅れます。」と告げられ、それからは、二人の昼も夜もない無我夢中の育児が始まりました。通院では、息子の変形した頭を他の人に見られたくないと思いながらバスに乗った事。気伝との成長の差は,目の前で嫌と思うほど見て泣きました。そして七ヶ月の時、立つ事も歩く事も出来ない脳性麻痺の告知。どうして、なぜと悩み泣いた葛藤の日々。そんな時、声を出して笑った息子に嬉し涙を流し、「この子は一生懸命私に答えてくれた。今度は、私が頑張って答えなくては、前を向いて今出来ることをやらなくちゃ」と小さな命に教えられました。

静岡医療センタ−に、二人を連れて診察・訓練に通い始めて一年。気伝の成長の芽も心配して「いこいの家」を紹介して頂きました。息子と離れることに不安な思いはありましたが、また一歩前進しようと新しい世界の扉を開きました。

いこいの家は、所長さんをはじめ、先生方が暖かい手を差し延べ、愛情いっぱい子どもに接してくれます。ミルクしか飲めなかった息子が、離乳食を食べ、表情も豊かになり、今では、「いこいの腹時計」と言われるほどの成長をしています。目は見えないけど、みんなの声を聞き分け、甘える知恵もつきました。

先生方は、親の悩み・愚痴も聞いてくださり、励まされ,親子共々成長させて頂き、本当に感謝しています。

私達親子は、まだスタート地点。これから越えるハードルは沢山あるけれど、今日泣いても、明日は笑えるかなあと思いながら、前向きに生きて生きたいと思っています。

息子へ
ありがとう。お母さんは、あなたに、笑顔と夢と勇気をもらったよ。
乗り越えなければいけない壁は、まだいっぱいあるけど、ゆっくりでもいいよ。
一歩一歩を楽しみに一緒に頑張ろう。
これからも よろしくね!


Copyright(C) 2002 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.247
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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