愛嬌のある大人に

          Kくん(5歳)のお母さん


来年は幼稚園の入園式、という時に「発達遅滞」と診断された。2才年上のお姉ちゃんも通っていたし、時期的に進路変更も難しく、不安定なまま幼稚園へと通い始めました。
4才年下の弟が生れた9月には、息子は園での有名人となっていました。
登園すると大勢寄ってきた「なんでK君はしゃべらないの?」「なんでできないの?」「こんなことするけどなんで?」子ども達からの質問攻めです。
『ナンデ… そんなの私が一番知りたいよ。』お迎えに行けば、「ママ。ママ。あれがK君だよ。」指を指して親へ説明する子。
『ヤメテ… 見せ物じゃないよ。』
子ども達から見れば、息子の総てが不思議でしかたがないかもしれないけれど、私には常に痛く、悔しく、辛い言葉でした。
園の先生方は、今までの経験上から助言や指導をしてくれたり、「こんな時はどう対処すればいいか、又、希望があれば何でもどうぞ。」と常に気をかけていただきました。でも私自身、親として息子をどう育てていくのが一番いいのか模索している状態で、その指導に応えられないもどかしさや、孤独感で心身共に疲れ、ストレスから息子に辛くあたってしまう時もありました。
そんな生活を改善したく、いろいろ考えいこいの家への入園を希望し、その時点で「自閉症」という診断名もいただいてしまいました。
いこいの家では先生方やお母さん達の存在がとても心強いものとなり、一人で無我夢中で子育てしているという気持ちから、いろんな人達に支えられて子育てできるんだと感じる様になりました。子育てに合わせた、根気強い先生方の指導のおかげで、ゆっくりながらも確実に成長する息子の姿を見る事ができ、私自身も焦らずのんびり、息子なりに成長すればいいんだ、と思えるようになりました。また、お母さん同士、たくさんの話しを通してお互いに励まし合いながら、常に自分だけではないと元気をもらい、充電させてもらっています。
この先の長い人生も私達はいろんな人達に支えられて成長していくと思います。たくさんの手間と迷惑をかけながら大人になっていく息子ですが、失敗しても何となく笑って許してもらえる様な愛嬌のある人になれたら最高だなぁと、母は思っています。


Copyright(C) 2003 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.256
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
協力 ボランティア通信from静岡
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