明日があるさ

          Sくん(6歳)のお父さん


忘れられない夜、平成9年12月1日、息子は静かに生れた。声もたてず。大慌てでバタバタ動く医師、看護師。「早くしろ、早くしろ」の連呼。そのまま子ども病院へ搬送。この日のことを私は一生忘れません。その後、息子は生命の危険を驚異的な生命力で乗り越えました。しかし告げられた病名は「筋ジストロフィー」最初はどんな病気か分かりませんでした。すぐにいろんな本や情報を調べ、この病気が筋力の重大な病気であり治療の方法がないとわかり愕然となりました。しかし病院に面会に行くたびに息子は小さな体で一生懸命生きようとしています。その姿を見たら私も悩んでいられません。

入院中、ヘルニア、気管切開と2度の手術、特に気切をした後は呼吸状態がすごくよくなり、人口呼吸機からも脱し、口からも食物がとれるようになりました。そして1年8ヶ月後に退院。不安もありましたが在宅になってからの息子は病院以外の新しい環境が良かったのか、みるみる元気になっていきました。私達夫婦が目を見張るほどに。

風邪をひいた時の吸引は回数が多く、昼夜問わないためとても辛いですが息子のためなら頑張れます。それが親子というものでしょうか。3歳過ぎから動きもとても活発になり、ある日突然、不安定ながらお座りが出来た時にはとてもびっくりして感激しました。

5歳になり運よく清水・静岡が合併となり「いこいの家」へ通園できるようになりました。

初めての集団生活、息子にとって慣れること出来るか心配でしたが、通園するようになりどんどん新しいことをやってくれます。いつの間にかハイハイも出来るようになり驚きの連続です。私は息子が思うように成長せずいらいらすることがありますが、先生方のやさしさとゆっくり、ゆっくりできることをやらせていく御指導で息子が成長していく姿をみてとても感謝の気持ちでいっぱいです。今カニューレから「ウー、アー」と声を出します。早く息子の言葉を聞いてみたい。その日がくるまで一日一日一生懸命生きよう。生きているって素晴らしいことだよ。今日を楽しく生きれば必ず希望に満ちた明日があるさ。 


Copyright(C) 2004 静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
出典:いこいの家通信 No.264
静岡市心身障害児福祉センター「いこいの家」
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