平成10年度 静岡県防災訓練

日時: 1998年9月1日 6:30〜15:00

会場: 掛川市 小笠山総合運動公園(予定地)

参加者:

静岡RB 鷲巣、竹内、山本、
池田、日高、園田、
青山、前島、土岐、
北堀、新村、手塚、
長嶋、大森
以上、敬称略。
この他に浜松、東京、
沼津、奈良、山梨、
神奈川、埼玉からも
多数のRB隊員が参
加しました。

訓練内容を説明している様子。
皆さん、初めての訓練で緊張気味。

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 平成10年度 静岡県防災訓練参加報告です。今回の訓練は、災害医療ボランティア組織「AMDA」との連携訓練となりました。また、JRB発足後、他団体との連携を含む初めての総合防災訓練です。静岡県外からも、神奈川、山梨、東京、奈良、埼玉などから大勢のRB隊員が訓練に参加し、総勢で50名を越える隊員が訓練に参加しました。
 今回は東京、神奈川RBの協力で、モバイル班が組織され、会場の状況をリアルタイムで記録、レポートしてくださっています。リアルタイム情報については、JRB及び神奈川RBの掲示板に記録が残っています。本レポートに合わせてJRB、神奈川RBの掲示板もご覧になってください。なお、静岡RBのメンバーは、主にサポート隊及びバイク隊として活動しました。
 前日夜半の大雨にもかかわらず、多数の隊員に参加いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。


全員が受付を終え、全体説明を受けている様子。


 防災訓練に参加するにあたり、JRBでは訓練会場そばの「つま恋総合スポーツセンター」に後方支援基地を設置、後方支援基地から防災訓練に参加する形態を取りました。以降、タイムスケジュールにしたがって?活動の報告をします。
1. 6:30 後方支援基地集合

つま恋総合スポーツセンター北ゲート前に集合。前日宿泊組を含め、既にほとんどのRBが集結していた。
鷲巣隊長の指揮の下、今回の訓練の目的、想定状況、活動方針について打ち合わせる。合わせて、JRBとして訓練参加者の受付、登録を行う。訓練参加者には、RBゼッケン(沼津RBの皆さんご用意いただきありがとうございました。)、AMDA腕章、通行許可証を配布。

−−ここでの反省−−
後になって気が付いた(思い出した)のですが・・・。RB規約の中に、被災時の行動マニュアルがあります。後方支援基地に集合してから、各隊が出発するまでの間、果たして何人の人がこのマニュアルを読み返したでしょう?。多分一人もいなかったでしょう。(-_-;)
活動マニュアルの中には非常に重要なことが書いてあり、それにしたがって行動していれば以降の活動がもう少しスムースに行えたかもしれません。

受付を終え、今日参加する訓練について説明を受ける。
今年の3月に行った、ボランティアコーディネータ訓練形式にあわせ、被災地からの標榜事項が張り出され、各隊員、それぞれ自分の参加する活動を選択し、説明を受けている様子。


2. 7:30 先発偵察隊出発

7:30、訓練会場の状況把握及び後方支援基地への連絡任務のもと、先発隊が出発。

訓練会場にて撮影−その1

地元のバイクレスキュー組織「かけがわBRN」さんの写真。
以前、静岡のTVでも放映されましたが、この組織は非常に訓練が行き届いていました。
各隊員とも、オフロードバイクに無線機、専用のユニフォームなどを揃え、地元の行政機関と協力して訓練を行っていました。
かけがわBRNの訓練の様子は、今後の我々の活動方針に非常に参考になりました。


3. 8:00 前線本部開設隊出発

先発隊が出発して30分が経過。第2陣である前線本部開設隊が出発。会場でJRBが活動する為の前線基地を確保する為、先発隊と合流すべく後方支援基地を後にした。ただ・・・この時点で、既に会場に到着しているはずの先発隊と無線連絡が取れない。以降の活動に不安が残る。(この時点では、無線が通じない原因が不明。)


訓練会場にて撮影−その2

訓練会場では、ひっきりなしにヘリコプターの着陸、離陸が行われ、緊急車両(消防車、救急車など)がAMDAテントの前を幾度となく行き来しました。ヘリコプターの爆音と、緊急車両のサイレンの音で、携帯電話や無線機の声は掻き消されてしまい、人と人が耳元で話をしなければ会話できないほどでした。これほどまでに騒々しいとは・・・


4. 8:30 医師・看護婦搬送部隊出発

先発隊が後方支援基地を後にして1時間が経過、この時点で、先発隊、本部開設隊いずれとも無線連絡が取れず、会場の状況が把握できない。搬送部隊は6隊に別れ、1隊あたり5,6台のバイクが割り当てられている。掛川駅に医師、看護婦を迎えに行くわけだが、この台数で一気に駅に行くと駅周辺が混乱する恐れがある為、駅構内に入るバイクをあらかじめ決めることに。各隊1台+連絡用1台の計7台までが駅構内に入ることを申し合わせ、各隊出発。
掛川駅でAMDAの職員と合流後、会場に向け出発。この時点で当初予定よりも15分の後れ。訓練会場入り口で9:30まで待機との指示。(だったはずだが・・・)9:30までに、6隊全部が会場入り口で待機することに。(実はこの時、AMDA本部では搬送部隊を今か今かと待っていた・・・。)

−−ここでの反省−−
搬送部隊は、先発隊、本部開設隊と異なり、災害現場に人と荷物を持って行くことが任務となっている。したがって出発時間までに搭載荷物(2台分)及びタンデム用ヘルメット(1名分)の搭載が完了している必要がある。当日初めて会った人たちが隊を組んだ為、不手際が出るのは仕方が無いが、出発予定時間に出発できたのは1隊だけだった。ほとんどの隊で出発時間が過ぎてから荷物の搭載を始めていた。
あらかじめ訓練目的が明確であったにもかかわらず、活動する為の準備作業が疎かになっていた。経験不足が明確に現れた。また、掛川駅での行動も徹底されず、混乱を生じた。(各隊1台だけ駅構内に入る約束だったが、一部の隊では全員が駅構内に入ってしまった。)隊がそろい次第、順次出発するつもりだったが、隊ごとに行動が乱れた為、駅入り口で行動を整理する必要が生じた。

反省会の様子 (-_-ゞ

参加者全員、怪我や事故も無く、無事訓練を終えた後、つま恋総合スポーツセンターに戻り、遅い昼食と訓練の反省会を行いました。中には疲れて寝てしまった方も・・・。ご苦労様でした。


5. 9:30 会場入り口にて待機

相変わらず先発隊、本部開設隊と無線連絡が取れない。予定の時間9:30を過ぎても会場内に居るはずの本部から連絡が無く、隊員各位から次の行動に移るべきとの声が上がる。幸い、無線連絡が取れ、会場内に進入。
先発隊と合流するも、ここでトラブル発生。TV取材向けに医師・看護婦を載せたまま訓練会場の中まで進んで欲しいとのこと。複数の隊員からそれぞれ違う指示が出る。先発隊の中でも情報が混乱している様子。各隊のタンデム車は、状況を理解できないまま会場内に進入。その他のバイク隊員はAMDA・JRB用に確保された駐輪エリアに移動し待機。

−−ここでの反省−−
今までの訓練で、無線機の威力を過信してしまい、無線連絡に頼り切った行動をしてしまった。専門家ではないので詳しい原因は不明だが、地理条件、固定局の強力無線通話、多くの団体が無線を利用していたなどの理由により、今回の訓練では無線機がほとんど機能しない状態に陥った。にもかかわらず、無線で連絡を取りつづけた為、行動が後手後手に回った感が否めない。
バイクレスキューのメリットの一つに、オートバイの機動力がある。今回の訓練ではこのメリットを活かすことができなかった。明らかにリーダシップの欠如である。深く反省する次第。
一つだけ弁解させてもらうならば・・・。県レベルの一大訓練に参加する為、どこまでの個別裁量が許されるのかが判断できなかった。加えてTV取材など、AMDA,JRBの活動をデモンストレーションする目的もあり、会場内の様子が分からない状況での個別判断による行動は控えるべきとの意識が強く働いた。(組織のイメージダウンにつながる行動は控えるべき・・・?)
災害時はそんなこと言ってられないのだが・・・。難しい問題です。

また、先発隊が行う任務の重要性が改めて認識させられた。先発隊に限った行動ではないのだが、被災地に最初に入った部隊から、現場の情報がもたらされるか否かで、後に続く部隊の行動が大きく影響を受ける。(実感。)手探りで活動することの難しさを思い知った。(後続部隊の情報収集意識の問題もあるが・・・。)

解散!

反省会を終え、解散となりました。参加者各位とも、今回の訓練により、いろんな課題や発見を持ちかえられたことと思います。今回の訓練が、皆さんの今後の活動に役立てばと願う次第です。本日は本当にご苦労様でした。m(_ _)m


6. 10:00 各隊解散後、個別活動に移る

後方支援基地で決めた各隊の役割が終了し、活動が次の段階に入った。続々と寄せられるAMDAからの要望に対応すべく、臨機応変に隊の編成、活動が行われる。訓練会場周辺の情報収集に始まり、水の確保、医療品運搬などすべきことは沢山ある。(と感じたのは私だけだろうか・・・?)AMDAのテント脇で待機していると担架で怪我人を運んだり、なかなか忙しい。

−−ここでの反省−−
RB隊員に対する指示系統が2通りできてしまった。鷲巣隊長からの指示系統と、AMDAからの指示系統である。指示系統が2つに別れた為、指示に混乱が生じ、RBとしての活動に乱れが生じた。JRBとしての本部設置が十分でなかった為、RB隊員もどこにいれば良いのか分からずオロオロしてしまう。
きちんとJRB本部を設置、宣言し、本部及びAMDAテントに常時隊員が待機し、AMDAからの指示をRB内で吸収、整理し、JRBとしてRB隊員各位に指示を出すべきであった。


<最後に>
遠いところから参加いただいた各RBの皆さん。本当に参加ご苦労様でした。初めての防災訓練参加ということもあり、至らない点が多々あったかと思います。この場を借りておわびいたします。m(_ _)m
静岡RBでは今回の訓練を参考に、これからどのような訓練・活動をして行くべきか、再考する良い機会となりました。皆さんからの厳しいご意見、ご感想をお聞かせいただければ幸いです。また、今後の活動に向け、改善案等ご指摘いただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします。


文章及び訓練結果が十分まとめきれませんでした。今後のHPメンテナンスタイミングに合わせ、徐々に整理して行く予定です。ご容赦ください。m(_ _)m
以上。



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