1999年「第4回 阪神淡路大震災犠牲者追悼のつどい」参加記録

日時: 1999年1月15〜17日

会場: 伊丹市昆陽池公園

参加者:

静岡RB 鷲巣、青山、深澤、
池田、竹内、安西、
日高、西、佐藤、
南、杉本
※ 以上、敬称略。

ボランティア青い鳥の皆さんとともに。

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1999年「第4回 阪神淡路大震災犠牲者追悼のつどい」の参加記録

平成11年 1月27日

  静岡RB  鷲巣 滋保
〜1、経緯

 静岡RB12月の定例会にて、RB隊員でもあり「ボランティア青い鳥」代表でもある青山さんより、「阪神淡路大震災犠牲者追悼の為のローソクにメッセージを書いて送りたい」との提案がありました。ローソクの箱を緊急支援物資として、静岡から沿線各地RBのバイクリレーにて伊丹市まで届けられたら、世間へのアピールにもなり、隊員の交流もできるので、是非やろうということになりました。12月28日の静岡RB忘年会の席上でも、ローソクに追悼メッセージを書いて約100本を完成させました。


〜2、電子メールにて発信
1月4日に行程沿線の各RBに下記メールで呼びかけました。

<呼びかけRB>
浜松RB、愛知RB、岐阜RB、京都RB、大阪RB、兵庫RB

<静岡RB発信メール>
あけまして おめでとうございます
静岡RBの鷲巣です。

この度、静岡RBでは阪神淡路大震災の追悼イベントに毎年参加していた隊員の呼びかけで、兵庫県伊丹市昆陽池公園の
「第4回 阪神淡路大震災犠牲者追悼のつどい」

主催:ボランティア団体 ユー・アイ・アソシエーション
TEL・FAX 0727−77−8066  代表 赤松 弘揮

に協力参加することになりました。これは1月16日(土)17時46分〜1月17日(日) 5時46分までの12時間を追悼メッセージを書いたロウソク6500本を灯し続けて、震災犠牲者の残された遺族を励まそうというものです。

静岡RBでは、隊員や他のボランティアの人々が協力して追悼メッセージを書いたロウソク500本を1月15日(金)に420×260×260のダンボール3箱に分けて、伊丹市までバイクで運びます。 でも当日兵庫県まで行ける静岡RBのメンバーはバイク1台と車1台でした。浜名湖SAまで、バイク4台は行けるのですが。ここで、もよりの各RBの皆様に協力のお願いです。
下記スケジュールとコースで移動して行きますので各SAでの合流地点で、ロウソクの積載リレーをしたり、声援やメッセージの伝達をして見ませんか?

1月15日(金)の移動スケジュール(●印は各RBの合流地点)

 静岡市    8:00出発
   ↓ 86.1Km
●浜名湖SA  10:00出発
   ↓ 57.8Km
●上郷SA   11:00出発
   ↓ 76.0Km
  昼食
●養老SA   13:00出発
   ↓ 94.7Km
●大津SA   15:00出発
   ↓ 54.7Km
●中国池田IC 16:00着
   ↓
 伊丹市昆陽池公園

※合流地点の予定時間は出発時間ですので、30分前ぐらいに各SAトイレ近くのスペースにバイクを停めておいて下さい。
こちらはRBのゼッケン着用と旗を掲げておきますので、多分わかると思います。

急なお願いで連絡もつかないかと思いますが、当日の天候や都合でふらっとツーリング気分(こちらは全くのツーリング)でお会い出来たら幸いです。記念撮影だけでもして別れましょう。後日ホームページに載せます。
皆さんの「あの震災を今でも忘れていないよ」という思いを、伊丹市の会場に届けられたらと思います。

なお、伊丹市まで同行して宿泊を希望される方は、事前に連絡願います。あくまでも先方様もあり、こちらも自己完結できる範囲を計画していますので調整させて下さい。最後にガソリン、高速料金とも各自でご用意願います。

〜3、呼びかけの反応
 出発前日に大阪RBと奈良RBから大津SAで待っているとの返信メールが着ました。残念ながら他のRBからは返信ありませんでした。天候次第では、ひょっとしてSAに待っているかも知れないので、計画通りの行程で進める事に決定しました。
でも天気は下り坂。雪も降りそうとのことです。無理をしなければ良いのですが。
こちらはバイクで行くといった杉本隊員を、車に同乗してもらうことにしました。
〜4、活動実績
●1月15日(金、祝日)くもりのち雨
 8:00 静岡市社会福祉会館前集合
      ◆伊丹遠征隊
       鷲巣、杉本、青山、(「ボランティア青い鳥」青島、青木、澤井)
      ◆静岡見送り隊
 深澤、西、南、池田、佐藤、日高、安西、竹内のバイク8台が集まりました。




8:45 静岡IC着
ここで雨が降りそうなので、物資を車に乗せ替えました。



 深澤、西、南の3台のバイクが併走してくれました。



9:15 牧の原SA 着


やはり雨がポツポツ降り始める。バイクとはここでお別れです。お見送りありがとうございました。


10:50 浜名湖SA 着
完全な雨状態でした。これではバイクも来ないでしょう。


10:45 上郷SA 着
途中、岡崎付近で雪もちらついていました。


12:45 養老SA 着
昼食、辺りには雪が残っていました。


14:15 桂川PA 着

大阪RBと合流。雨にもかかわらずバイクも来ていただけました。


合流地点をこちらのミスで勝手に変更してしまい、本当すいませんでした。JRB(ジャパン・レスキューサポート・バイクネットワーク)はバイクやインターネットという共通の話題と何か社会の役に立ちたいという同じ志しを持った人ですから、初対面でも話は早かったです。全国組織の大いなる可能性を感じました。


16:20 伊丹市昆陽池(こやいけ)公園会場 着
天気も晴れてきました。静岡は誰か雨男(女)がいたのでしょうか。
こちらで活動開始です。とりあえず本部テントの設置、囲いシート張り、機材運びを手伝う。大阪RBの方々も手伝っていただきまして、有難う御座いました。


20:00 食事
21:00 銭湯にて風呂


22:40 伊丹市現地ボランティアの大路さん宅に泊めていただきました。私たち静岡からの5人を含む合計8人ものボランティアに、布団まで用意していただきまして、本当に有難う御座いました。4年前の被災時の辛いお話も聞かせていただきました。あらためて明日の意義を感じて、床に入りました。


●1月16日(土)
 8:30 昆陽池公園会場で活動開始

風よけシートの設置、灯油の購入からストーブの準備、パネル用つい立の運搬など、やる事はいくらでもありました。


「大阪RB」の福元さん(昨日バイクで来た人です)も、会場に駆けつけて手伝っていただきました。


10:00 フリーマーケットが始まる
炊き出しもしているので、昼食は豚汁とおにぎりです。これは17日の朝まで作ってくれましたので、夜も次の朝もお世話になりました。炊き出し隊の皆様、ごちそうさまでした。


14:00 ローソク点灯準備
ローソクはグランドシートを敷いた上に、砂を盛り上げて図案を描きました。
今年はハート型で、テーマは「再生」でした。


ここで、わざわざ静岡から千羽鶴やメッセージローソクを運んで来てくれたということで、現地の方が涙を流して喜んでいただけました。この千羽鶴6000羽は毎年有志が折りつづけてくれたもので、同行した「ボランティア青い鳥」の女子高生たちも、苦労してやってきた甲斐があったと感激していました。


17:46 黙祷
全員がローソクを囲んだ輪になって黙祷をしました。
これから12時間後の5:46まで灯し続けます。
※この時の模様は、夜の各TVニュースで放映されていました。


 2:00 ローソクの見廻り


燃えたローソクの後片付けが大変な作業でした。溶けたロウが砂の中で固まってしまい、新しいローソクを立てられなくなってしまうのです。その為に砂を掘り起こし固まったロウを回収しなければならないのです。回収したロウは、砂とロウに分けて溶かし再生ローソクとして再利用していました。また溶けたロウが公園の土に残ると野鳥が食べてしまうので、砂の下にグランドシートが敷いてあり、終わると砂は全てシートごと持ち帰るのです。こちらの活動はリサイクルと環境についても考慮していました。


 4:00 5:46に合わせて最後のローソク点灯


この時間に、風が出てきて灯したはずのローソクが消えてしまい(太いローソクはずっと点いていました)、自然の気まぐれに成すすべなしの状態でした。でも5時を過ぎると風も止んで全てのローソクが無事点灯しました。聞くと毎年こういう状況で、自然がいたずらをして人間を苦しめているようです。


5:46 黙祷
この時間前から会場は一般の方も大勢訪れて、ローソクもこうこうと燃えていました。4年前、この瞬間に何人もの人が命を亡くしたのかと思うと、残念でしかたありません。
この人達の死を無駄にしない為にも、自分の出来ることから始めましょう。(合掌)


6:00 みんなで記念撮影です。


●1月17日(土)晴天
6:00 片付け開始
市役所から借りた机、いす、つい立等重量物の運搬、風避けシートの撤去など、やはり活動はたくさんありました。ここでもボランティア全員で一斉に行った為、予定よりも早く終えることが出来ました。


8:30 帰路につく
約1人が徹夜で活動した為、車でダウンしていました。と思ったら途中で起きて忘れ物をしたといって、また逆戻り。会場の皆さん、何度も見送って頂きまして有難う御座いました。お騒がせしました。またの再会を楽しみにしています。
帰りは合流予定も無いので、まっすぐ高速道路で静岡に向かう。車内では一同疲れの為、熟睡中になりました。途中運転手も眠さの限界を感じて、多賀SAで1時間の仮眠を取りました。やはり安全第一ですから、無理は禁物です。


15:00 牧の原SAにて

ようやく一同目が覚めたのか、元気になりました。




ここで朝刊を買ったら、どの新聞も昆陽池公園の「追悼のつどい」が載っていました。


16:00 静岡ICに無事到着しました。
お疲れ様でした。


〜5、まとめ
あの震災から4年が経ちました。私たち「静岡レスキューサポート・バイクネットワーク(略・・静岡RB)」も設立からちょうど1年になりました。世間では「震災の風化」が危惧されていますが、静岡RBの定例会では毎月10人以上の出席者で盛り上がっています。今回は12月の定例会から検討され「静岡から今でもあの震災を忘れていません」という思いを伝えたいということで実行されました。
今年は15(祝日)、16(土)、17日(日)と3連休であり、定例会での盛り上がりから、静岡RBから5,6人は伊丹に行けると思われたのですが、結果として3人になりました。準備期間も無く、連絡がつかない状態で、出発ぎりぎりまで行けるか心配でした。そんな中で、ローソクの追悼メッセージ書きや出発時のお見送りに、静岡RBメンバーは自分が出来る範囲で活動をしてくれました。そして「ボランティア青い鳥」や「静岡市ボランティアセンター」の協力と「ユー・アイ・アソシエーション」「大阪RB」「奈良RB」との連携があったからこそ、大成功で終了することが出来ました。
ここであらためて御礼申し上げます。皆さん、ありがとうございました。

今回はイベント会場の設営準備から片付けまでをボランティアとして参加しました。これが被災時のボランティア活動擬似体験そのままでした。もちろん当時に較べれば水洗トイレはあるし携帯電話も使える状況なので比較になりませんが、寒くて眠い中での砂中のロウを取り出す作業は、瓦礫の中で人や物を探す活動のようでした。一晩中人の出入りがある本部テントでの受付や焚き火、ローソクの見張り等も12時間以上していました。被災当時の現地に入ったボランティアの方々も、こういう状況で数週間も活動していたのかなと思いました。状況に流されていると寝る時間も無くなってしまうのでした。私も翌日の運転があったので睡眠を取らせて頂きましたが、まともに寝入ることは出来ませんでした。やはり自己管理と精神的にタフでないと長続きはしないと感じました。会場に集まった関西の方々は、子供も含めてたくましかったです。もともと静岡とは気質も違いますが、それ以上に被災という試練を経験した方々との差だと思いました。また炊き出しの食事にしても、ごみの処理も含めた環境やリサイクルを考える良い機会でした。被災時にも問題になったので、容器に名前を書いて繰り返し使用したり、野鳥が集まる公園なのでゴミやロウの後処理もみんなが協力して対処しました。もちろん震災犠牲者への追悼もしっかり出来ていたと思います。これらを一晩で体験させくれたこのイベントがいつまでも続けられることを願います。

私も新たに多くのボランティア団体の方々と活動を通した交流をすることが出来ましたし、RBの活動も多くの方に理解していただきました。本当に伊丹まで行って良かったです。今回の移動を含めた3日間の活動は、体力的には疲れましたが、充実感にあふれた3日間でした。
来年も行くと思いますが、その時にはより大きなボランティアの輪を広げましょう。

以上



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