要望書 ● 公益社団法人 静岡県視覚障害者協会 (1)視覚障害者に対する新規事業の地域間格差のない実施   10月1日から施行される同行援護従業者(ガイドヘルパー)の治療院内等の職場内介助、事務処理等の支援について、国の指針に沿って市町に格差がないよう指導の徹底を要望する。 (補足説明)   地域生活支援事業の枠組みで、新規事業が実施されるため、地域間格差が起きないよう、指導をお願いしたい。 (2)緊急時の対応と視覚障害者への理解等   新型コロナウイルス感染症対策として、ソーシャルディスタンスの観点から同行援護を断られる事例が多くある。視覚障害者の生活に対する合理的配慮として、同行援護事業所にコロナ中でも充実した支援を行ってもらえるよう、指導をお願いしたい。 (補足説明)   今回の新型コロナ感染症予防、対策において視覚障害者への配慮がなく、買い物等へも行けず困ったとの報告がある。災害時、緊急時の対策が何も行われていなかったと考える。この様な事態に対応したマニュアル等が関係機関から出されているので参考にし、県として対策に取り組んでいただきたい。 (3)読書バリアフリー法の対応   読書バリアフリー法の国の基本計画について、各自治体でも基本計画を作成することになっているので、早急な対応をお願いしたい。 (補足説明)   国が提起したガイドラインに沿い、自治体へのスムーズな対応をお願いしたい。 (4)県内行政機関における視覚障害者への発信文書   県内行政機関における、視覚障害者への個人宛発信文書は、点字・拡大文字・音訳など、必要に応じた媒体(本人が確認できる形)で配信するよう要望する。 (補足説明)   特に、個人情報保護の観点から、障害者本人が直接確認できるようお願いしたい。本人で確認できない場合の弊害として、重要書類や提出期限、支払期限がある書類が読まれないままになることや、期限に間に合わない等がある。また、人に知られたくない内容をヘルパーに読んでもらうことに精神的ストレスがかかる等がある。 (5)意思疎通支援事業   意思疎通支援事業の代筆・代読支援が各自治体において実施されるよう、また、代筆・代読支援の専門職を養成し、視覚障害者個々のニーズにあった支援が受けられるよう要望する。 (補足説明)   代筆・代読の支援に対し、現状はほぼ実施されておらず、特に必要とされる入院時等の同意書類や行政関係書類、金融関係書類等は支援が必要不可欠であるが、法的に認められているにも拘らず、実施に当たっての理解、認知度が低く事業化が進んでいない。 ● 公益社団法人 静岡県聴覚障害者協会 (1)静岡県手話言語条例に定める施策の継続的な実施   2018年3月静岡県手話言語条例が議会にて採択され、県民に手話を広めるため様々な施策が行われている。昨年2019年度は県主催で市町のイベント等7か所(12日間)で手話体験ブースが出展され、手話あいさつ推進員を延べ66人派遣した。2,461人の参加者に手話によるあいさつ、自己紹介、また、飲み物やお菓子の注文を学習、体験してもらった。   2020年度は新型コロナウイルス感染症対策によりイベントはやむなく中止となったが、今後も推進員を活用し、より一層手話の広まりを実感できるように、取組みの継続をお願いしたい。 (2)静岡県内の報道番組への手話通訳・字幕の付与   高齢社会となり、今や国民の10%に当たる1,000万人が聞こえに何らかの不便さを感じていると言われる時代になったが、聴覚に障害がある人たちは、ローカルニュースなど地域の情報番組に字幕が付いておらず、身近な話題を知ることができない。   全国的なテレビ番組は字幕の付与が進められているが、県内の報道番組において手話・字幕の導入が進まない。   緊急時・災害時において、ろう者にとってもテレビは大事な情報源である。耳の聞こえない県民にも情報が行き渡るように日ごろから番組への手話・字幕導入を行うよう、県からテレビ局に対する働きかけをお願いしたい。 (3)手話通訳者派遣範囲の拡大、設置手話通訳者の労働条件の改善と身分保障   手話通訳者は県で養成され、市町はその手話通訳者を登録して手話通訳派遣事業を行っている。しかし、市町によっては「趣味」「文化教養講座」などには派遣されない。これでは文化的に豊かに生活する権利が奪われ、差別に等しい。市町に対して、ろう者の社会参加を後押しするよう県からも手話通訳者派遣に理解を示すよう発信をお願いしたい。   市町設置手話通訳者についても、県内全市町での設置と労働条件の改善・身分保障を求める。また、県登録手話通訳者を市役所や福祉事務所の設置手話通訳者として雇用すると、庁外での通訳活動が副業と見なされ手話通訳活動ができない。県からは手話通訳者の必要性、副業には該当しない旨などの説明や規程作りなど働きかけをお願いしたい。 (4)障害者差別解消法及び県条例の周知   平成28年障害者差別解消法、29年には県の障害者差別解消条例が施行された。今までの障害者への差別的な扱いについて、政策課が窓口になったことで行政による調査や指導が行われるようになったことは、障害者が暮らしやすい環境を整備することに大きな役割を果たしている。しかし、まだまだこの条例を知らない事業所がほとんどではないだろうか。   ろう者が社内の会議への手話通訳を依頼しても、「秘密漏洩の防止」との理由から、通訳を拒むなどの問題は相変わらず後を絶たない。同条例は「合理的配慮の提供は企業の努力義務」としているとは言え、ろう者を雇用している以上、仕事の内容を伝える責任がある。「会議には出席。内容は知らせない」は、合理的配慮の欠如ではなく間接差別にあたる。県においては、様々な企業に対し、条例があること、また「手話通訳者には厳しい守秘義務がある」ことを啓発していただきたい。 ● 静岡県車椅子友の会 (1)就労   障害者差別解消法、改正障害者雇用促進法などに基づき、重度障害者の雇用を増やすための職場での合理的配慮の事例紹介や、差別を受けている人の相談窓口の充実などの社会への啓発を行っていただきたい。重度訪問介護等の利用している方の就労についてサービスの継続性を考えた制度設計としていただきたい。 (2)スポーツ施設等のユニバーサルデザイン対応   2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を好機に、県内の観光施設・スポーツ施設では、いまだに電動車いすや手動車いすでの利用を制限している施設があります。スポーツなど余暇活動を充実することは静岡県差別解消条例でも謳っていることです。管理者の偏見で排除されていないか再点検を行い、車いす利用者が自由にスポーツ等を楽しめるよう図っていただきたい。また、障害者スポーツを気軽に体験し、普及啓発ができる障害者スポーツの拠点(聖地)を整備していただきたい。 (3)福祉避難所等の災害・防災対策   コロナ感染対応など避難所での生活がまた重度障害者にとって難しいものになってきました。福祉避難所等で電動車いすの方など車いす利用者がどのような形で避難生活が出来るのか具体的な検証をお願いいたします。避難の仕方や避難所での支援の方法など具体的内容について当事者の意見を聞きながら再検討し県民に知らせていただきたい。UD仮設住宅を準備するなど、自宅で避難することをためらうことの無いよう、避難時の生活を安心して暮らせるようにしていただきたい。 (4)交通アクセス   車いすの障害者が利用する公共交通には、合理的配慮が出来ていないためのトラブルが起きています。事業者への理解を進めるための啓発セミナー開催などで交通事業者の理解を促進し、車いすの障害者が自由に行動できるようにしていただきたい。 ● 日本喉摘者団体連合会 静岡県静鈴会 (1)日常生活用品、人工鼻の市町給付の拡大要望   行政当局の指導により、県下20市町で給付対象品として取り扱っていただいております。   今後、未実施の市町に対し給付対象品として取り扱うようご指導いただきたい。 (2)日喉連中部日本ブロック発声訓練指導者養成研修会開催に伴う研修費の補助要望   令和2年9月、ホテルセンチュリー静岡で開催予定であった研修会が、新型コロナウイルス対策により自粛中止し、延期とした。令和3年9月再び静鈴会が開催団体として開催することとなりました。   前年同様、27万円程の研修費の補助をお願いします。 ● 公益社団法人 日本オストミー協会 静岡県支部 (1)装具費用の増額   装具費用の増額に関しては、弊会本部にて、全国身体者連合会を通じて、昨年まで値上げ要請を厚生労働省に働きかけてきましたが、昨年12月にその回答として、その事業は、県市町が中心となっているのでそちらに対応してもらうようにとの回答であった。   その回答を受けて、県内33市町に対し、市(町)長あてに要望文書を本年2月に発送した。   その結果、浜松市と他1町が値上げに対し、前向きな回答があったが、他の市町の反応は無かった。(静岡市は値上げ根拠となるデーターの請求があり、資料提出をしました。)受給者の平均年齢は推定70歳(会員平均年齢 75歳)以上と推定され、消費税のたび重なる値上げは年金受給者にとってその負担はかなり負担となっている。   オストメイトの装具費用は、食費等を削っても確保しなければならない必需品であります。(参考:値上げ要請に対する調査結果等のデーターは県にも提出済みです。)   何とぞ、値上げ要請について、前向きに検討実施されますようお願いします。 (2)介護施設等におけるスト−マ交換が出来るヘルパー等の養成   県内のオストメイトは推定約5,700人相当と思われます。オストメイトも高齢化が進んでおり、会員だけの統計を見ても70歳以上が全体71%、80歳以上が26%となっています。   オストメイトの一番の不安要素は、装具交換が自分(家族を含む)で出来なくなった時の対応についてです。   現状考えられる対応としては    @ 訪問介護制度を利用して対応する。    A 特養等の介護施設等に入居し、看護(介護)職員等に依頼する。     しかしながら、上記の制度等を利用しても、装具交換ができる職員等は少ないのが、現状です。   当会も、オストメイトに対する啓蒙活動ならびにスト−マ装具交換が出来る看護(介護)施設職員等へのPR活動ならびに養成研修等を計画・実施しておりますが、県においても、オストメイト対応者の養成を積極的に実施するよう関係箇所に通知・指導して、頂きますようお願いします。 (3)オストメイト災害時対応トイレの整備   至近年において、水害等の大災害が全国で発生しております。その被害状況をみると、想像できないような災害が多発しています。   県においても、災害対策を見直ししていると、聞いておりますが、災害対策の項目として、障害者対応の中に下記内容を組み込んで頂きたいと思います。    @ 避難所となる施設には、「障害者対応者を設置」「障害者対応トイレの確保(表示)」    A 大規模避難所となる小中高学校には、オストメイト専用トイレの設置を各市町にお願いしたい。なお、設置されるまでの対応として、災害が発生し、避難所を開設する場合は、トイレの一部を「障害者用」として表示されますようお願いします。 (4)ヘルプマークの広報活動の見直し   ヘルプマークの広報活動により、その存在は広く伝わったと感じていますが、実態としてどのような人がヘルプマークの対象者か理解していない人が多々いるのが現状である。   今後の広報活動は、その点をポイントに置いた広報活動をお願いしたい。   また、オストメイト用トイレについては、そのマークの意味とマークの名前も知らない人がいるのも現実である。   このため、オストメイトマークはJISマークに認定されたことから、マークの下に「オストメイト用」の表示をするよう指導・PRをお願いします。 (5)市町におけるオストメイト装具の保管制度の拡大   現在県下市町において、オストメイト用の装具保管制度を実施している市町は、藤枝市と富士市の2市だけである。   災害時における事前対策(準備)は自前でするのが本来の姿ではあるが、前記したような大災害が何時発生するか分らない現状では、その対策の一部を市町等にお願いするのも自然であると思われる。 県で開催される会議等において、身障者対策の一環として「装具の保管制度の拡大」を県下各市町に指導・PRを積極的に実施されるようお願いします。 ● 日本心臓ペースメーカー友の会 静岡県支部    (1)広報活動への支援協力   ペースメーカー友の会では、ペースメーカーを装着する障害者として、様々な行事や会誌を通して情報を得て、仲間との交流を深めています。しかし、近年会員の高齢化、会員の家族の介護などにより、会員が減少する傾向にあります。   友の会をPRするための広報活動として、病院へ冊子やパンフレットを置かせていただく活動などを、役員を中心に行っております。   今だ法人化されておらず、任意の団体であるため、この会について県民に十分に理解されていない現状にあります。よって、次の2点を要望します。    @ 県民が、この会についてネットで検索する際、県のホームページに記載はあるものの、検索が容易ではありません。この会の紹介が県民に分かるようなホームぺージになるように要望します。    A 市町村において新しく障害者になられた方に渡すパンフレットに、友の会の紹介が記載されていない市町があるので、入れていただけるよう市町への情報提供を要望します。 ● 特定非営利活動法人 静岡県中途失聴・難聴者協会 (1)全国統一要約筆記者認定試験実施の県事業化(再掲)   令和元年度要望に対する回答として、「他県の試験実施状況や関係団体との調整を踏まえ検討してまいります。」との回答をいただいておりますが、引き続き検討と試験の予算化をお願いいたします。   (2)静岡県聴覚障害者情報センターの相談機能充実のため言語聴覚士・認定補聴器技能者の配置(再掲)   「聴覚障害者情報センターの業務については、運営委員会等で協議し限られた予算の中で効果的な事業実施ができるよう努めてまいります。」との回答をいただきました。中・長期的な計画の中で実現できるよう、一層の努力、予算化をお願いいたします。   補装具(補聴器や基準外交付等の関係)、軽度・中等度難聴児童・生徒への18歳以上のサポート・支援や高齢難聴者への対応も含めて県としての対策を急ぐ必要があります。また、軽度・中等度難聴・生徒への補聴器購入補助制度の県内実施状況等についての情報提供を求めます。   また、昨年度の要望で補装具(補聴器)交付に係る県内各市町の担当者・更生相談所、指定医師、認定補聴器専門店との意見交換の場を設けていただきたいという要望をしています。これについての回答は「関係団体や関係行政の意見を参考に対応を検討する。」とのことですが、今後の意見交換会開催の見通しを伺いたい。 (3)直接対面での中途失聴者・難聴者の生活指導や支援   令和2年3月よりコロナウイルス感染症対策の一環として「三密」を避ける新生活が推奨されています。私たち中途失聴者と難聴者は要約筆記を主要なコミュニケーション・通訳手段として集い、生活場面での利用をしています。コロナ禍の中で三密が避けられない要約筆記は勢い利用が自粛されています。これに代わる方法として遠隔要約筆記の利用も考えられますが、該当者の多くが機器的にも制約が多いのが実情です。中途失聴者と難聴者にとっても無理なく安心して要約筆記の派遣が受けられるよう待ち望んでいるのが実情です。   県の委託事業である中途失聴者・難聴者生活訓練事業は令和2年度は中止といたしました。本事業は「三密」を避けた開催は不可能です。来年度は開催の方向で三密を避けた会場、配置等、検討を進めていきます。直接対面で中途失聴者・難聴者の方々の生活指導や支援に結びつけたく、引き続き県のご支援と協力をお願いいたします。 ● 静岡県腎友会 (1)CKD(慢性腎臓病)予防の予算増額   CKDから透析に移る患者を減少させるために、CKD予防の予算を増額して下さい。 (2)要介護透析患者の急増に対応した在宅サービス・施設の拡充   透析患者の重症化・合併症による、障害の重複化に伴う要介護透析患者の急増に対応する医療・福祉両面における在宅サービス及び施設を早急に拡充して下さい。 (3)高齢透析患者の増加に伴うホームヘルパーの増員及び施設の拡充等   高齢透析患者の増加に伴う、通院困難な透析患者や医療介護の必要な患者のためにホームヘルパーの増員・訪問看護施設の拡充及び通院介護並びに老健施設への入所を保障する体制を確立して下さい。 (4)透析患者に移行させないための啓発活動   糖尿病性腎症の予防対策並びに糖尿病性腎症や慢性腎臓病から透析患者に移行させないための啓発活動を今まで以上に実施して下さい。 (5)透析患者の医療費助成制度の継続   基本週3回の通院治療を要する透析患者の医療費の自己負担について、現在の障害者医療費助成制度を令和2年度以降も継続してください。 ● 社会福祉法人 静岡県身体障害者福祉会 (1)身体障害者に関する情報の取得に対する支援   身体障害者団体の新規加入者が極めて少なく、会員の減少、高齢化に歯止めがかかりません。新規加入者を増やすことができない大きな要因の一つは、身体障害者手帳を交付された人たちの住所・氏名が把握できないからです。地域の身体障害者団体又は身体障害者相談員が、それぞれの身体障害者の情報を得ることができれば、災害時の安否確認や相談窓口での活用等にも利用できるものと考えます。市町から身体障害者に関する情報が得られるようご支援をお願いします。 (2)身体障害者団体への財政的助成   社会福祉事業の多くはマンパワーが基本です。県からの委託事業でない団体活動事業に対する静岡県社会福祉協議会の助成は、大半が事業助成となっています。   令和2年度の団体活動事業の多くは、新型コロナウイルスの感染予防のために中止または規模を縮小して実施しているため、助成金の減額が予想されます。しかし、固定費である人件費は、団体活動事業が縮小しても、同じように削減することはできません。   県の身体障害者団体への財政的助成の在り方について、運営費助成への傾斜を検討していただくようお願いします。 (3)令和3年度日本喉摘者団体連合会中部日本ブロック発声訓練指導者研修会開催に対する支援(再掲)   音声機能障害者発声訓練については、静岡県の障害者社会参加促進委託事務として、静岡県静鈴会の協力を得て実施しているところですが、事業の一環として、特定非営利活動法人日本喉摘者団体連合会の中部日本ブロックで実施する指導者研修会に参加しています。この中部ブロック研修会は構成団体の持ち回りで開催されており、令和2年度に静岡県で開催することになっていましたが、新型コロナウイルスの感染防止の観点から令和3年度に開催することになりました。   ついては、令和3年度中部日本ブロック発声訓練指導者研修会に対する財政支援として、当該年度の委託費を増額していただきたくご配慮をお願いいたします。 (4)令和3年度日本身体障害者団体連合会関東甲信越静ブロック協議会会議開催に対する支援(再掲)   関東甲信越静ブロック協議会は、11都県身体障害者団体と5政令市身体障害者団体で構成されている協議会で、情報交換をはじめ、国や域内自治体の障害者施策に対する改革・改善のための協議・提言を行っています。   会議は構成団体の輪番で春季と秋季の2回実施しており、本県は令和3年秋に開催することになっています。   ついては、開催費用に対する財政支援についてご配慮をお願いいたします。