要望書 ● 公益社団法人 静岡県視覚障害者協会 (1)日常生活用具・補装具の給付対象品目の追加と地域間格差のない実施   眼鏡型視覚支援装置は全盲、弱視、病名等に関わらず視覚障害者の社会参加、日常生活動作等に非常に有用である為、給付対象品目に加えていただきたい。また、県内でも対象となる品目、対応年数に相違があり、長年に亘って地域間格差が埋まらない。昨今の感染状況から、人にものを訪ねたり、手助けをお願いする事が難しい為、自立に関する用具や補助具の支給対象枠を見直し、又は品目の追加を早急にお願いしたい。  (補足説明)   眼鏡型視覚支援装置はその機能として、文章読み上げ、顔や物、紙幣や色等を認識して音声で知らせます。具体的な商品名として、天使眼(エンジェルアイスマートリーダー)、エンビジョングラス、オーカムマイアイ2、オーカムマイリーダー2等 (2)読書バリアフリー法の対応   読書バリアフリー法の国の基本計画について、各自治体でも基本計画を作成する事になっているので、早急な対応をお願いしたい。それに伴い、プレクストーク(デイジー図書読み上げ装置)の給付対象の制限を無くして欲しい。  (補足説明)   現在、プレクストークの給付対象が身体障害者手帳1〜2級であるが、6級までを対象としていただきたい。特に、弱視者や高齢で視力低下により手帳の交付を受けた方が、活字を読めない状況にあり、相談を受けることが多いため。 (3)県内行政機関における視覚障害者への発進文書   県内行政機関における、視覚障害者への個人宛発信文書は、点字・拡大文字・音訳など、必要に応じた媒体(本人が確認できる形)で配信するよう要望する。特に、コロナ等感染症関連の緊急を要する文書に関しては強く要望する。  (補足説明)   新型コロナワクチン予防接種の案内等の確認が出来ず、予約が遅れる等の不利益が生じている。災害等弱者に対する配慮がなされていない。直接、市に掛け合うも対応してもらえない。完全に対応しているのは磐田市のみである。 (4)意思疎通支援事業   意思疎通支援事業の代筆・代読支援が各自治体において実施されるよう、また、代筆・代読支援の専門職を養成し、視覚障害者個々のニーズにあった支援が受けられるよう要望する。  (補足説明)   代筆・代読の支援に対し、現状はほぼ実施されておらず、特に必要とされる入院時等の同意書類や行政関係書類、金融関係書類等は支援が必要不可欠であるが、法的に認められているにも拘らず、実施に当たっての理解、認知度が低く事業化が進んでいない。 (5)視覚障害者に対する新規事業の地域間格差のない実施   令和2年10月1日から施行された同行援護従業者(ガイドヘルパー)の治療院内等の職場内介助、事務処理等の支援について、国の指針に沿って市町に格差がないよう指導の徹底を要望する。  (補足説明)   地域生活支援事業の枠組みで、新規事業が実施されるため、地域間格差が起きないよう、指導をお願いしたい。 ● 公益社団法人 静岡県聴覚障害者協会 (1)静岡県手話言語条例に定める施策の継続的な実施   2018年3月静岡県手話言語条例が議会にて採択され、県民に手話を広めるため様々な施策が行われている。2019年度は県主催で市町のイベント等7か所(12日間)で手話体験ブースが出展され、手話あいさつ推進員を延べ66人派遣した。2,461人の参加者に手話によるあいさつ、自己紹介、また飲み物やお菓子の注文を学習、体験してもらった。   2020年度は新型コロナウイルス感染症対策によりイベントはやむなく中止となったが、今後も推進員を活用し、より一層手話の広まりを実感できるように、取組みの継続をお願いしたい。 (2)静岡県内の報道番組への手話通訳・字幕の付与   高齢社会となり、今や国民の10%に当たる1,000万人が聞こえに何らかの不便さを感じていると言われる時代になったが、聴覚に障害がある人たちは、ローカルニュースなど地域の情報番組に字幕が付いておらず、身近な話題を知ることができない。全国的なテレビ番組は字幕の付与が進められているが、県内の報道番組において手話・字幕の導入が進まない。   緊急時・災害時において、ろう者にとってもテレビは大事な情報源である。聴覚に障害のある県民にも情報が行き渡るように日ごろから番組への手話・字幕導入を行うよう、県からテレビ局に対する働きかけをお願いしたい。   2019年度から県議会のインターネット中継に手話通訳者が導入されている。また、2020年度からは県知事会見に手話通訳が付与され、YouTubeで見ることができるが、ニュースでは手話通訳者は映されないことが多い。知事と手話通訳者を同時に映すよう報道機関に周知をお願いしたい。 (3)障害者差別解消法及び県障害者差別解消条例の周知   平成28年障害者差別解消法、29年には県の障害者差別解消条例が施行された。令和3年には障害者差別解消法が改正され、行政だけでなく民間事業者にも合理的配慮の提供が義務となった。また、法改正に合わせ、県条例の改正も行われる予定との報道もある。今までの障害者への差別的な扱いについて、政策課が窓口になったことで行政による調査や指導が行われるようになったことは、障害者が暮らしやすい環境を整備することに大きな役割を果たしている。しかし、まだまだこの条例を知らない事業所がほとんどではないだろうか。   ろう者が社内の会議への手話通訳を依頼しても、「秘密漏洩の防止」との理由から、通訳を拒むなどの問題は相変わらず後を絶たない。ろう者を雇用している以上、仕事の内容を伝える責任がある。「会議には出席。内容は知らせない」は、合理的配慮の欠如ではなく間接差別にあたる。県においては、様々な企業に対し、条例があること、民間においても努力義務から義務に変更されたこと、また「手話通訳者には厳しい守秘義務がある」ことを啓発していただきたい。 (4)障害当事者が他市町で手話通訳者を必要とした場合の取り扱いの統一について   このところ、オリンピックパラリンピックをはじめ、様々なところで手話通訳が付与され、手話で生活するろう者への理解が少しずつ広まっている。   ろう者が依頼を受けて居住地以外の市町で手話を教える場合、手話通訳料は主催者負担となっているが、ボランティア団体などは通訳料の支出は困難であり、市町の意思疎通支援事業を適用することが多い。しかし、一定のルールがなく、ケースによってはろう者から「他市町への派遣がなされない場合がある」との相談が寄せられることがある。   居住地域外の市町での手話通訳派遣については、ケースに関わらず柔軟な対応をお願いしたい。そのために、県が市町に考え方を示すようお願いしたい。 ● 静岡県車椅子友の会 (1)就労について   障害者差別解消法、改正障害者雇用促進法などに基づき、重度障害者の雇用を増やすための職場での合理的配慮の事例紹介など啓発を促進していただきたい。また重度訪問介護等福祉サービスの利用している方の就労について、サービス利用した就労を進めていただきたい。 (2)災害・防災対策について   近年は災害等により避難する状況が増えています。学校施設や避難場所について車いすの人でも安心して避難できる場所として再点検していただきたい。避難所等で電動車いすの方など車いす利用者がどのような形で避難生活が出来るのか具体的な検証をお願いいたします。避難の仕方や避難所での支援の方法など具体的内容について当事者の意見を聞きながら再検討し県民に知らせていただきたい。UD仮設住宅を準備するなど、自宅で避難することをためらうことの無いよう、避難時の生活を安心して暮らせるようにしていただきたい。 (3)交通アクセスについて   車いすの障害者が利用する公共交通には利用できない駅があるなど、利用に制限を受けている箇所がまだ多数あります。それが常態化しないよう事業者への理解を進めるための啓発を促進し、車いすの障害者が自由に行動できるようにしていただきたい。 (4)コロナ感染について   感染防止に関して障害者対応が出来ているか確認していただきたい。出来ていないケースがあれば、モデル的な対応を県が啓発していただきたい。例として消毒液の形状や体温計測モニターの位置や形状などで利用できない場合があります。 ● 日本喉摘者団体連合会 静岡県静鈴会 (1)日常生活用具支給制度の保険適用制度化に伴う問題   平成27年度より日常生活用具に対する給付指導をお願いして参りました所、令和2年度現在で県下26市町で給付対象として扱って頂く事となり誠に有り難く感謝しております。   しかし、令和2年9月1日より日常生活用具支給制度が保険適用制度へと変更となり、結果としまして個人個人が購入費用の1割〜3割の個人負担となり増額となりました。また一部商品につきましては保険対象外も有り、購入に当たっては複雑な状況となっているのが現状です。   以上につきまして配慮、善処頂きたくお願い致します。 ● 公益社団法人 日本オストミー協会 静岡県支部 (1)日常生活用具に係わる給付金額の増額   県は市町に対し、技術的助言としてガイドラインにより具体的な品目、限度額、耐用年数等を提示。ガイドラインは、技術革新等により新たな器具が発売されること等に伴い、概ね3年ごとに見直しを行なう。それについては、市町の意見を踏まえて実施しており、利用者の声や利用実態等のデータにより判断している。と昨年回答されました。   しかしながら、各市町においては、日常生活用具に係わる実態調査などは、掛川市以外は実施していません。その原因は、オストメイト側にもあるかと思いますが、市町の姿勢にも問題があるのではないでしょうか。障害者に対する実態把握や障害者の声を聞こうとする姿勢の有無により、大きく変わるのではないでしょうか。   また、ガイドラインの改正には、利用実態等の情報提供が必要なことは理解できますが現実問題として、県下のオストメイト6000人余のデーターも無い中、調査することは不可能です。   当会の会員数も100名程度であり、データーとしての存在感は小さなものとなってしまいます。   さらに、消費税は、現基準額改定後、何回も値上げされています。   ガイドライン改正に伴い、これらの問題をどのように解決するか、具体策を検討して頂き県が更なるイニシチアブをとって、早期に改正されますよう強く要望します。 (2)介護施設等におけるスト−マ交換が出来るヘルパー等の養成について   昨年の要望事項に対する回答として、介護職場でのオストメイト対応について、県委託事業「居宅介護職員初任者研修」のカリキュラムに組み込むことを委託先と検討し、介護職員のストーマ装具に関する理解を促進してまいります。とありましたが、2021年度の途中経過および実績等がありましたら教えて頂きたいと思います。   また、委託先、市町に通知した文書等の控えを頂けるとありがたいです。   今後とも、サポートよろしくお願いします。 (3)要配慮者支援のための災害時対応トイレの整備状況の確認   昨年、オストメイト災害時対応トイレの整備についてお願いしましたが、危機情報課の回答として、「設置経費については、地震・津波対策等減災交付金の対象となるよう関係課と協議する」の回答を頂きました。   その後の進捗状況について報告を頂ければと思います。 (4)組織存続のためのサポートの強化   組織のPR等については、県のホームページに掲載等、積極的に実行して頂き、感謝しております。   当会の会員は、現在110名であるが、平均年齢が75歳以上であり、80歳以上の会員が41名もあり、数年後は間違いなく100名を大幅に割り込むことが確実です。   しかしながら、障害者手帳交付者は年々増加しております。その理由として大腸がん等の罹患者が増加していることが原因ではないでしょうか。   全国で21万人余、県下においても、6000人余もいます。   会員の減少については、手をこまねいているわけではありません。これといった特効薬があるわけではありませんが、情報収集の多様化、手術の高度化、装具の充実等により、従前と比較すると組織に依存する機会が少なくなり、生活の質も向上していることは事実だと思います。   しかしながら、人工肛門(畜便)、人工膀胱(尿袋)保有者(オストメイト)の存在と理解は、まだまだ十分ではありません。   人工肛門、人工膀胱保有者であることを公表する人は、ほとんどいません。   なぜならば、肛門(畜便)、尿袋と言う言葉は、「汚い」、「臭う」と言う、抵抗感、羞恥心があるからだと考えております。そのため、引け目を感じ外出を控えている者もいます。   「オストメイト」「オストミー」「ストーマ」と言う単語を理解できる一般の人は、ほとんどいないと思います。   その言葉が市民権を得るにはまだまだ時間がかかると思っています。   一番端的なものは、旅行時の入浴です。オストメイトは装具をつけたまま入浴すると、施設側または、入浴者から何か言われるのではないかと不安を感じ、大浴場に入浴することをごく一部の方を除き、ほとんどの人があきらめているのです。   差別解消とまでいかなくても、まだまだオストメイトに対する理解は十分ではありません。   会員の高齢化が進む中、課題は多々あります。   障害者で組織する団体は、同じように会員が減少し、運営がままならぬものと聞いております。   県の更なる理解と行動で障害者団体組織の理解獲得活動を始め、各団体が活性化出来るように、今後ともサポートをお願いする次第です。 ● 日本心臓ペースメーカー友の会 静岡県支部 (1)広報活動への支援協力について   友の会をPRするための広報活動として、これまで病院へ冊子やパンフレットを置かせていただく活動などを、役員を中心に行っておりました。しかし、コロナ禍において対面での活動が困難な状況にあり、広報活動が思うようにできません。   コロナ禍の中でも、最近埋め込み手術をされた方もいらっしゃいます。昨年、病院内で友の会の会員との出会いがきっかけとなり、入会された方がいらっしゃいました。また、20年以上前に植え込み手術をされた方で、「初めてこのような会があることを知った。」とおっしゃった方もいらっしゃいました。会のPRの難しさを痛感しております。   高齢になって埋め込まれる方も多く、家族の方の協力・支援も大きな支えとなります。障がい者手帳を交付する段階での、情報提供の方法を検討することは、大きな支援につながると思います。障がい者の家族でもしおりを手掛かりに関係団体の検索がスマートホンなどでスムーズにできるように、工夫や配慮をお願いします。   この会について知りたい方に、情報提供ができるように、支援をお願いいたします。 ● 特定非営利活動法人 静岡県中途失聴・難聴者協会 (1)全国統一要約筆記者認定試験実施を県事業として実施ください。(再掲)   これまで数年間要望していますが「他県の試験実施状況や関係団体との調整を踏まえ検討してまいります 。」との回答をいただいておりますが、引き続き検討と試験の予算化をお願いいたします。 (2)静岡県聴覚障害者情報センターの相談機能充実のため言語聴覚士・認定補聴器技能者の配置をしてください。(再掲)   難聴者の聞こえの問題を考える場合には聴覚生理を専門とする医師・言語聴覚士・認定補聴器技能者の関わりは必要不可欠です。高齢者の場合には地域包括支援センターへの相談というルートも支援に結び付けられるケースは無いような状態で、専門家不在の解消が望まれます。   補装具(補聴器や基準外交付等の関係)、軽度・中等度難聴児童・生徒への18歳以上のサポート・支援や高齢難聴者への対応も含めて県としての対策を急ぐ必要があります。県下自治体の中には高齢者への補聴器購入助成を事業化したところもあります。   また、3年間継続した要望の中で補装具(補聴器)交付に係る県内各市町の担当者・更生相談所、指定医師、認定補聴器専門店との意見交換の場を設けていただきたいという要望をしています。検討したいとの前向きな回答は出ているものの、実際の動きが出ていません。ご尽力をお願いします。 (3)難聴者・中途失聴者生活訓練事業   昨年度コロナ禍より県委託事業である難聴者・中途失聴者生活訓練事業は止む無く中止としました。今年度は県障害福祉課の協力・支援をいただき実施できるようになりました。開催への努力は静岡県聴覚障害者情報センターの遠隔要約筆記の実施に向けた1年間の成果ともいえるものです。情報センターや要約筆記登録者の方々に感謝いたします。更に今後も続くであろうウイズコロナにあっても、遠隔要約筆記の普及に繋げていけるようにご協力・ご尽力をお願いいたします。 ● 静岡県腎友会 (1)CKD(慢性腎臓病)予防の予算増額   CKDから透析に移る患者を減少させるために、CKD予防の予算を増額してください。 (2)要介護透析患者の急増に対応した在宅サービス・施設の拡充   透析患者の重症化・合併症による、障害の重複化に伴う要介護透析患者の急増に対応する医療・福祉両面における在宅サービス及び施設を早急に拡充して下さい。 (3)高齢透析患者の増加に伴うホームヘルパーの増員及び施設の拡充等   高齢透析患者の増加に伴う、通院困難な透析患者や医療介護の必要な患者のためにホームヘルパーの増員・訪問看護施設の拡充及び通院介護並びに老健施設への入所を保障する体制を確立して下さい。 (4)透析患者に移行させないための啓発活動   糖尿病性腎症の予防対策並びに糖尿病性腎症や慢性腎臓病から透析患者に移行させないための啓発活動を今まで以上に実施して下さい。 (5)透析患者の医療費助成制度の継続   基本週3回の通院治療を要する透析患者の医療費の自己負担について、現在の障害者医療費助成制度を令和3年度以降も継続してください。 ● 社会福祉法人 静岡県身体障害者福祉会 (1)静岡県障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例の改正   障害者差別解消法が改正され、事業者による合理的配慮の義務化等が規定されたところです。ついては、静岡県障害者差別解消条例においても、必要な措置を講じられるようお願いします。 (2)「心のバリアフリー」施策の推進   東京パラリンピック競技大会が終了しましたが、これを契機として心のバリアフリーを推進していくことを「ユニバーサルデザイン2020行動計画」において宣言されたところです。県においては、諸施策においてこの考えをもとに推進されるようお願いします。 (3)エスカレーター歩行禁止の啓発   特に身体障害者にとっては、エスカレーターの片側をあけて歩行される行為は危険なものであります。事業者において啓発活動等をされてはいますが、目に見えて改善されているとは言えない状況です。   一方、埼玉県では、3月に「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が成立し、10月に施行されたと聞いています。静岡県においても是非検討をお願いします。 (4)個人情報保護条例に対する静岡県の見解   会員の減少の主な原因は、結局、個人情報保護法に基づく各自治体の条例により個人情報の提供について制限がかかったため、個人情報の取得ができず、広く入会の勧誘ができなくなったことにあると考えております。   個人レベルで、居住する市町のどこに身体障害者がいるのかを知ることは難しいため、市町から個人情報を取得するための理由を、条令を根拠に構築することができるか、にかかっていると思います。   平成27年に島田市身体障害者福祉会が、島田市個人情報保護条例の「(個人情報の)提供の制限」の中に「審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上必要があると認めたとき」は制限が解除される規定があるため、島田市身体障害者相談員の代表でもある島田市身体障害者福祉会会長に個人情報を提供することは公益上必要があると認めて提供していただくよう要望したが、拒否された事例があります。   県の見解を受け賜りたい。