「デジタル録音枠アナウンス」

目 次
1 録音図書枠アナウンス
2 録音前の準備
3 枠アナウンス 解説
4 校正に提出する前に
5 校正後の訂正時の注意点
6 岩波ブックレット枠アナウンス
7 図表枠アナウンス
8 製作のながれ



  1. 録音図書枠アナウンス         
    (書名)(副書名)(シリーズ名)    
    ○○○○著  ○○○○編  ○○○○訳
    録音図書凡例・・・・・・・・録音図書凡例終わり
    (以下原本記載順序に録音)
    原本凡例・・・・・・・・・・原本凡例終わり
    まえがき・序文・はじめに        
    目次・・・・・・・・・・・・目次終わり
    (本文)
    (あとがき・解説・参考資料・年表・文献・索引等)
    以下は  社より発刊されている(著者名)の作品リストです
    著者紹介(略歴)・・・・・・著者紹介(略歴)終わり
    原本奥付・・・・・・・・・・原本奥付終わり
    以上で(書名)(副書名)(シリーズ名)を終わります
    製作 静岡県点字図書館
    製作完了 200 年  月



  2. 録音前の準備
    1. デイジー編集仕様書の記入
      原本を選んだら、デイジー編集仕様書の必要欄(○印の欄)に記入します
      着手カードは実線から切って棚の箱に入れます
      それ以外は原本にはさんでおきます
      着手年月日は原本を選んだ月日を記入(録音開始月日ではありません) 
      提出予定年月日は校正に提出する予定の月日を記入します
    2. 下読み
      必ず原本全体に目を通します
      原本の構成、ルビ等に注意をはらいながら下読みをします
    3. 正誤表のチェック
      正誤表が付いている場合には、その箇所をあらかじめ訂正します 
    4. 調査
      読めない語句を調べ、典拠と共に調査表に記入します
      調べた語句は、簡単なものでもすべて記入します(調査表に記入がないと、校正者が同じ言葉を再度調査しなければならず、余計な時間がかかってしまいます)
    5. 処理 
      処理の方針を定めたうえで図表等を文章化し、処理表に記入します
    6. 枠アナウンスの確認
      『2006年版デジタル録音枠アナウンス』に合わせます



  3. 枠アナウンス 解説
    1. 書名、著者名
      1. 書名、副書名、シリーズ名等は「デイジー編集仕様書」通りに読みます。表紙をそのまま読むわけではありません  
         例(書名)    『年齢差別』  
          (副書名)   『仕事の場でなにが起きているのか』  
          (シリーズ名) 『岩波ブックレットNo.649』
      2. 書名等の漢字の説明はここでは不要です
      3. 著者名、編者名、訳者名、監修者名等もデイジー編集仕様書通りに読みます。肩書き、漢字の説明等はここでは不要です
      4. 著者名は、著者が2名までの場合はそのまま読みます。3名以上の場合は、最初の1名の著者名を読んで、あとは ホカ を補います
        例 著者が 汐見稔幸 近藤幹生 普光院亜紀 の3名の場合は、シオミトシユキ ホカ チョ
    2. 録音図書凡例 
      1. 校正から戻る時に「録音図書凡例 DAISY編集」の用紙が渡されます。製作完了年月のあとに別セクションを作り、指示通りに録音します。
        例 録音図書凡例
        このデイジー図書の階層はレベル2までです。グループチェックは表、グラフ、地図についておこなっています  
         録音図書凡例終わり  
      2. DAISY編集に関係すること以外の録音図書凡例(原本全体に該当する処理等)は、この「録音図書凡例 DAISY編集」のあとに録音します  
      3. すべての録音図書凡例を録音したあとに ロクオントショ ハンレー オワリ の言葉を入れます
    3. 原本凡例 
      1. 原本凡例に書かれている旧仮名遣いの断り等、表記のみに関することについては、凡例を読む必要があるかどうかその都度検討します
      2. 最後に ゲンポン ハンレー オワリ の言葉を入れます
    4. まえがき(序文、はじめに)  
       まえがき、写真、地図等が目次の前にあれば、原本の記載順序に読みます
    5. 目次 
      1. 目次と共に書名が記載してある場合は原本通りに書名も読みます
      2. コンテンツ等と記載されている場合は原本通りの表現で読みます
      3. 目次に書かれているページを読みます。ページを読む時は、数字のあとに必ず「ページ」という言葉を補います
      4. 目次にページの記載のない原本は、本文からページを拾って入れます。大項目のみにページの記載があり、小項目に記載のない場合も本文からすべてページを拾って入れます
      5. 索引、年表等、後ろからつけられているページ番号は変更が必要です。図書館あるいはデイジー編集者にご相談下さい
      6. そのまま読んだら大項目、中項目、小項目の区別がつかないものは言葉を補足します。その場合、本文中にも同様に補足をします
        補足する言葉は、一の一、まる一、一の一の一、等
         例 U 待機    
            1 思案    
            2 ローマ行き    
           V 助走    
            1 大陸旅行
          ニ タイキ ニノイチ シアン ニノニ ローマユキ サン ジョソー サンノイチ タイリクリョコー 
      7. 上・下巻等にわかれている原本で、上巻に下巻の目次も記載されているような場合は、下巻の目次も読みます。ただし、上巻の原本に記載されている下巻の目次にページの記入がなければページを拾って読む必要はありません  
      8. 最後に モクジ オワリ の言葉を入れます
      9. 装幀、挿画者名等が目次と同じページにある場合、モクジ オワリ の言葉のあとでそれらの名前を読みます。ただし、装幀、挿画者名等が本文の最後にある場合は原本通り最後に読みます
    6. あとがき、解説、参考文献、年表、索引等 
      1. 索引は書かれているページも読みます。ただし「ページ」という語は不要です
         例 RNA酵素 24, 56
           RNAコーソ ニジューヨン ゴジューロク
      2. 索引を読むときに ―― 等で表された省略語は、もとの語に戻します
         例 補酵素     19
            ――の発見   19
            ――結合部位 158
          ホコーソ19 ホコーソノハッケン19 ホコーソノケツゴーブイ 158
    7. 作品リスト 
      1. 作品リストのうち、現在、録音中の原本の書名は省きます
      2. 書名(副書名、シリーズ名)のみ読み、内容の解説等は読みません
      3. 初出の読みは ショシュツ 
      4. 紹介する作品が1冊の場合は以下のとおり
         以下は  社より発刊されている(著者名)の作品です
    8. 著者紹介(略歴)
      1. 奥付、カバー、表表紙、裏表紙、帯等に著者紹介があってもここで読みます
      2. 著者紹介の記載場所に著者名がない場合は著者名を加えて読みます
      3. 著者名だけで紹介、略歴等の言葉がない場合は、チョシャショーカイ と読みます
      4. 著者プロフィール、執筆者一覧等と記載されている場合は原本通りの表現で読みます
      5. 著者紹介が本体とカバーの2箇所に記載され、その内容が異なる場合は本体の文のみ読みます
      6. 複数の紹介(略歴)がある場合
         例 著者が2名 の場合
           著者紹介  山田風太郎  (紹介文)  関川夏生  (紹介文)  著者紹介終わり
         例 著者が2名 訳者が1名の場合
           著者・訳者紹介  著者 アリス・ホフマン  (紹介文) 著者 スミス・ホフマン (紹介文)  訳者 深町真理子 (紹介文)  著者・訳者紹介終わり  
      7. 編者の読みは ヘンシャ
      8. 最後に チョシャショーカイ(リャクレキ) オワリ の言葉を入れます
    9. 原本奥付 
      1. 原本の奥付を記載してある順序、表現ですべて読みます。ただし、定価は最後に読みます
      2. 著者名が記載されていない場合は、著者名を加えて読みます
         例 チョシャ ムラマツトモミ 
      3. 同音異義語の書名、耳慣れない著者名等で漢字説明が必要であれば、書名・著者名等を読んだ後で説明します。出版社名も聞き慣れない社名は説明します
         例 著者 外丸裕 
           チョシャ トマルユタカ (トマル ユタカ ハ カンジデ ウチソトノ ソト ニ マルジルシノ マル ユーフクノ ユー)
      4. 次のものは省略します
          著作権者、落丁や乱丁の断り、発行者、印刷者、印刷所、製本所、O(複写権)  
      5. 岩波文庫赤101 ブルーバックスB-123 等は、奥付に書いてあれば読みます。数字はつぶ読みにします
      6. 読み
         編者(ヘンシャ) 初版(ショハン) 第一版(ダイイッパン) 第一刷(ダイイチズリ) 初刷(ハツズリ) 発行所(ハッコーショ)
      7. 郵便番号
         例 〒420 - 0857
           ユービンバンゴー ヨンニーレー ノ レーハチゴーナナ
      8. 電話番号・FAX
        電話番号やFAX番号は(  )でくくられていてもピッチを下げません。(電)あるいは(TEL)も デンワ と読んでかまいません
         例  電話 054 (253) 0228
            デンワ レーゴーヨン ニーゴーサン ノ レーニーニーハチ        
         例  FAX 054 - 250 - 0766
            ファックス レーゴーヨン ニーゴーレー ノ レーナナロクロク
      9. 振替
        例 12345-6-789
          イチニーサンヨンゴ ノ ロク ノ ナナハチキュー
      10. 発行所・住所
        (株)(財)(宗)等の略語はわかれば、元のフルネームで読みます
         例 (医)医療法人  (社)社団法人 (福)社会福祉法人 (特非)特定非営利活動法人
      11. 住所の中の数字はつぶ読みにしません
         例 1丁目15番地16号○○アパート4F 150号室
           イッチョーメ ジューゴバンチ ジューロクゴー ○○アパート  ヨン エフ ヒャクゴジュー ゴーシツ
      12. ホームページ・Eメールアドレス
        アルファベットと数字はつぶ読みにします。数字の9のみ スージノキュー と読みます。アルファベットは大文字のみ オーモジ と付け加えます
         例 http://www.sample.or.jp/onyaku/htm
            http コロン スラッシュ スラッシュ www ドット sample ドット or ドット jp スラッシュ onyaku スラッシュ htm
         例 URL:http://www.Abcde/TENq319/co.jp
            ユーアールエル http コロン スラッシュ スラッシュ www ドット 大文字A bcde スラッシュ 大文字T 大文字E 大文字N 大文字N q 31 数字の9 スラッシュ co ドット jp
         例 E-mail:sーizu@sample.jp
        イーメール s ハイフン izu アットマーク sample ドッド jp 
        記号の読み
        _ アンダースコア   @ アットマーク   ~ チルダ 
      13. ISBN
        ISBNは裏表紙やカバー等、記載場所が様々なので注意してください
        ISBN4-16-314025-x  xは エックス ではなく、10(ジュー)と読みます。C以下は読みません
         例 ISBN4-16-314025-7 C0293 P750E
           アイエスビーエヌ ヨン ハイフン イチロク ハイフン サンイチヨンレーニーゴ ハイフン ナナ
        ISBNとは
         INTERNATIONAL STANDARD BOOK NUMBER(国際標準図書番号)の略
         4    国別番号(4は日本)
         16   出版社記号
         314025 書名記号
         7    チェック記号(1〜Xまで。Xは10)
         ここまでが国際標準図書番号
         C0293 分類記号
         P750Eまたは¥750E P  PRICE 価格
         E  END 光学読みとり終了マーク
      14. 定価
        1. 定価は ゲンポンオクヅケ オワリ の言葉の前に読みます
        2. 定価は、裏表紙やカバー等、記載場所が様々なので注意してください
        3. 本体価格や税も記載されていれば読みます
           例 定価 750円(本体価格732円)
             テイカ ナナヒャクゴジュー エン(ホンタイカカク ナナヒャクサン ジュー ニ エン)   
             定価 本体732円+税
             テイカ ホンタイ ナナヒャクサンジューニ エン プラス ゼイ
             定価 732円 消費税が別に加算されます 
             テイカ ナナヒャクサンジューニ エン ショウヒゼイガ ベツニ  カサンサレマス
      15. 最後に ゲンポンオクヅケ オワリ の言葉を入れます
      16. 製作完了 
        1. 年号は西暦で読みます。日にちは不要です
           例 製作完了 2006年4月
        2. 製作年月は校正後の訂正終了時とします。 第二、第三校正のあった場合は、その都度、最新のものと入れかえます



  4. 校正に提出する前に
    1. 最後にもう一度、全体を通して聞き返します
    2. 調査した言葉が典拠と共にすべて調査表に記入してあるか確認します
      調査表は音訳者の記録になるばかりでなく、校正を迅速に行うためにも必要です
    3. デイジー編集仕様書の「デジタル録音終了しました 校正をお願いします」の欄に   月日を記入します
    4. 欄外に録音時間をメモします    録音時間はPRS Pro画面のツールバーにあるディスク情報を参照します
    5. 調査表、処理表、録音中はずした表紙カバーと共に提出します
      個人のカバーやクリアファイル等は、はずしてください
    6. 提出する棚を間違えないように注意してください



  5. 校正後の訂正時の注意点
    1. 訂正した部分は原本に「   」をつけます
      どこからどこまでを読み直したかが明確に記されていると、訂正後モニタが迅速にすすみます
    2. 最後にもう一度、全体を通して聞き返します
      特に、訂正個所の前後に消し残り、頭切れ、音量差がないか確認します
    3. 製作完了年月を変更します
    4. デイジー編集仕様書の必要事項をボールペンで、はっきり正確に記入します
      デイジー編集仕様書はマスターCDと共に永久保存します
    5. 原本、デイジー編集仕様書、調査表、処理表、校正表と共に提出します
      校正表別紙は提出不要です
      個人のカバーやクリアファイル等は、はずしてください



  6. 岩波ブックレット枠アナウンス
              
      (書名)   (副書名)  岩波ブックレット a@   (例 123 ナンバー ヒャクニジューサン)    
      ○○○○著  ○○○○編  ○○○○訳
      録音図書ハンレー 
       このデイジー図書の階層はレベル○までです。グループチェックは○○についておこなっています 
      録音図書ハンレー終わり
      表紙裏 図(表・写真等)
       (原本によっては本文中に挿入)
       (目次の下の記載事項を適宜挿入)
      図(表・写真等)終わり
      目次(モクジとのみ読みます タイトル等は不要)・・・・・・目次 終わり
      ( あとがき・解説・参考資料・年表・文献・索引等)
      著者(ヘンシャ)紹介(略歴)・・・・・・著者(ヘンシャ)紹介(略歴)終わり
      ゲンポンオクヅケ
        (書名)(副書名) 岩波ブックレット a@   (例 123  ナンバー ヒャクニジューサン)
         ○○○○著  ○○○○編  ○○○○訳
         200 年 月 日 ダイイチズリハッコウ
         200 年 月 日 ダイ  ズリハッコウ
         ハッコウショ 株式会社 岩波書店
         郵便番号 イチレーイチ ノ ハチレーレーニ
         東京都千代田区ヒトツバシ ニノゴノゴ
         電話 案内  レーサン ゴーニーイチレー ノ ヨンレーレーレー
         販売部・・・・・・                        
         ブックレット編集部・・・・・・                   
         エイチティーティーピー コロン スラッシュスラッシュ ダヴリュダヴリュダヴリュ ドット アイダヴリュエイエヌエイエムアイ ドット シーオー ドット ジェイピー スラッシュ
         アイエスビーエヌ ヨン ハイフン レーレー ハイフン・・・・・ハイフン・・・・
         定価 本体○○円 プラス 税
      ゲンポンオクヅケ 終わり
      以上で(書名)   (副書名)
      岩波ブックレット a@   (例 123  ナンバー ヒャクニジューサン)    を終わります
      製作 静岡県点字図書館
      製作完了 200○年6月
        
      岩波ブックレットの装丁者、表紙デザイン者読みかた
       荒木洋子 アラキヨウコ
       岡部哲郎 オカベテツロウ
       村田道紀 ムラタミチノリ
       赤見理恵 アカミリエ



  7. 図表枠アナウンス 
    1. タイトルのある場合  
      1. 表(図、写真など)  
      2. タイトル  
      3. 表(図、写真など)の説明  
      4. ……説明文……  
      5. 表(図、写真など)終わり 

    2. タイトルのない場合  
      1. 表(図、写真など)  
      2. 表(図、写真など)の説明  
      3. ……説明文……  
      4. 表(図、写真など)終わり 

    3. タイトルだけで十分な場合  
      1. 表(図、写真など)  
      2. タイトル  
      3. 表(図、写真など)終わり

    4. 複数の表(図、写真など)を一か所でまとめて読む
      説明が必要な場合  
      1. 表(図、写真など)  
      2. ○枚あります  
      3. イチ タイトル  
      4. 表(図、写真など)の説明  
      5. ……説明文……  
      6. ニ タイトル  
      7. 表(図、写真など)の説明
      8. ……説明文……  
      9. 表(図、写真など)終わり


      * 処理は原本によって変わります。以上はあくまでも基本ですので、これを参考に考えてください。



  8. 製作のながれ 
    原本選書(図書館)→音訳者へ依頼(図書館)→調査・処理(音訳V)→ 録音(音訳V)→ 聞き返し(音訳V)→聞き返し(音訳V)→チェック(図書館)→一校(校正V)→チェック(図書館) →二校(校正V)→チェック(図書館)→訂正(音訳V)→チェック(図書館)→モニタ(訂正後モニタV) →チェック(図書館)→デイジー図書編集(デイジーV)→デイジー図書校正(デイジーV) →CD製作(デイジーV)      


      



                                  

    静岡県点字図書館録音図書枠アナウンス 平成10年(1998年)1月
    静岡県点字図書館デジタル録音図書枠アナウンス 平成18年(2006年)4月
    平成19年(2007年)3月データ版作成にあたり一部改訂         
    発行 静岡県点字図書館 文責 熊谷成子

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