音訳通信
                                 


No.49 2007年6月1日発行
静岡県点字図書館音訳

騒音、振動、粉塵、悪臭のなかでの活動、本当にお疲れ様です。録音室にじっと待機して、騒音の途切れる時間をねらっての録音。お礼の申しあげようもありません。  また自宅録音の方には通常以上のペースでの録音をお願いし、録音室での遅れをカバーしていただき、心からお礼申し上げます。



デイジー図書の貸出
皆様のご協力のおかげでデイジー図書が続々と完成し、貸出も飛躍的に延びています。デイジー図書の貸出は平成11年から始まりましたが、現在ではテープ図書を大きく上回っています。全国的にも年々増加の傾向で、17年度全国点字図書館実態調査によると、全国83館の合計貸出数はデイジー302,685、テープ377,339タイトル、年間製作数はデイジー12,619、テープ10,655タイトルです。

静点の貸出の推移
年度 貸出タイトル数 製作タイトル数
平成 テープデイジーテープデイジー
109497---183---
119260 126159 89
129828 3633157 89
139249 4372170156
149215 5423155181
159294 5621160205
169524 7457166179
177902 9755131184
18590510313 40268


デジタル録音講習会
自宅録音の方のデジタル録音講習会は、個別対応となります。希望者は日時を調整しますので、お申し出ください。
   
音訳研修会の報告
平成19年度の第1回音訳研修会を4/20,静岡市中央福祉センターで開催しました。音訳奉仕員48人の参加がありました。
内容は以下のとおりです。
1)挨拶
  静岡県厚生部障害者支援局障害福祉室室長 佐野行英   静岡県点字図書館館長 増尾昌吾
2)感謝状贈呈   100時間 沖田裕子 西光世
3)研修 〜録音図書を正確に迅速に製作する ために〜
4)一人ひとこと

〜研修より〜
 正確さと迅速さは両立がむずかしいのですが、何とかして両立させたい。それには急がば回れ。音訳者の段階で丁寧に正確に録音することが一番と思われます。校正に提出した後で訂正するのは音質も変わりますし、余計に時間がかかってしまいます。
そこで、校正で指摘される箇所を減らすためには、
@基本的な決まり事をまちがえない。
  枠アナウンス、読む順序は記憶に頼らず、必ずマニュアルをみてください。
A調査を丁寧に。
  どの辞書を引けばよいかわからない時は、一人で悩んで時間を費やさず、校正者や漢字探偵団に相談してください。そして、調査した漢字は必ず調査表へ。調査しても出てこなかった漢字は、なかった旨を調査表へ。校正者が再度調査する手間と時間が節約されます。
B略語、ルビ、スペルを処理する時、原本をじっくり検討。
  機械的に行うのではなく、原本の構成や内容を検討して処理の方法を決めてください。迷った時は事前にご相談ください。
Cしっかり聞き返しを。
  全体を通して再生してください。1フレーズ毎ではポーズの的確さがわかりません。

*音訳者にお願い
 例えば「重複」は「チョーフク」がより正しいヨミです。しかし今では「ジューフク」も辞書にあります。時代の変化と共にヨミは変わりますので、どの時点で一般的(?)なヨミを優先させるかは難しいところです。既に「執着(シュージャク)」「連中(レンジュー)」「情緒(ジョーショ)は特殊な場合を除いては、「シューチャク」「レンチュー」「ジョーチョ」と読んでいることでしょう。  でも、以下の漢字は「今のところ」正しいと言われるヨミを選択してください。ただし、一般的なヨミでも校正対象にはしません。

漢字 より正しいヨミ一般的なヨミ
愛想 アイソアイソー
数多 アマタスウタ
依存 イソン イゾン
大地震 オージシンダイジシン
間髪を容れず カンハツをイれずカンパツをイれず
既存 キソン キゾン
共存 キョーソン キョーゾン
早急 サッキュー ソーキュー
10本 ジッポン ジュッポン
出生 シュッショー シュッセー
代替 ダイタイ ダイカエ
重複 チョーフク ジューフク
他人事 ヒトゴト タニンゴト
ホオ ホホ
免れる マヌカれる マヌガれる
唯一 ユイイツ ユイツ
   

〜一人ひとことより〜
デジタル録音に関するヒントがたくさん出されました。
・音源にさすマイクのアダプターをふいたら雑音が減少した
・マウスを代えたら、画面が上下に揺れるのが収まった。
・ビルドブックの最中に「不明のエラー」が出たときはサーバに送らない。
・B室 フリーズが3時間に3,4回おこる。 →B室利用者はさらに事例をお知らせください。対処を検討します。
・C室 雑音がはいる→C室は以前から雑音が問題になっていました。「雷&ノイズダブルガード」をコンセントにつけましたが、効果は薄いようです。音源の変更等考えます。

当日欠席の方、
*「奉仕員名簿」「勉強会名簿」「電話連絡網」をスリッパの上の箱におきました。お持ちください。
*『音訳マニュアル デジタル録音編』を申込んだ方は取りにいらしてください。

関所をとおってください
録音室に入る前に必ずウイルスチェックをお願いします。これまで、自宅でインターネットに接続していない方は、関所を通らなくてもOKとしていましたが、FD等を通じてウイルスに伝染することもあるようです。時間がかかってご面倒と思いますが、ご協力ください。
 
音訳勉強会
第1月グループが4/2、5/7に、第2金グループが4/13、5/11に勉強会を開きました。期せずして会話のヨミについての話題が両グループで出されました。 
@地の文と会話文の区別をどうつけるか
  例文を数人が読んで検討しました。
  Aさん 会話文の文頭のピッチが低め、スピード速め、ピークつけない 
  Bさん ピッチ低め、スピード同じ、ピークつけない
  Cさん ピッチもスピードも地の文と同じ
三者三様でしたが、どれも地の文との区別がつきました。基本的には「ピッチ普通かやや高い」「スピード普通」「ピークつけない」(『音訳マニュアル』)ですが、会話文と地の文の文体が異なる場合は、Cさんのように変化をつけなくても区別がつきます。 いづれも「ピークをつけない」は共通していました。また、会話文を読む前に「会話である」と自分にいいきかせてから声に出すと効果的です。ただし会話であると言い聞かせるだけで、演じてはやりすぎになります。

A複数の人物の会話をどう読むか
・ピッチで差をつけている
・目で読んでいても、誰が話しているか気にならない文もある。原本によっては必ずしも、誰が話しているかはわからなくても、別の人が話していることがわかればいいのでは。
   
校正員・モニタ研修会
日時:6/28(木) 13:00〜15:00
会場:6階福祉会会議室
対象:校正員 モニタ
持ち物:「デジタル録音枠アナウンス」     「デジタル録音校正マニュアル」
参加希望者は6/14(木)までに。
 
装備・チェック
日時:7/27(金) 10:00〜12:00
会場:6階福祉会会議室(予定)

月末図書整理日
日時:6/27 7/25 8/29(最終水)
録音室、スタジオは通常通りですが、電話が留守電になっています。
    


「音訳通信」発行:年4回(3/1 6/1 9/1 12/1)
文責:熊谷成子

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