デジタル録音移行完了! 20年度のトップニュースです。インストラクタの皆様のご協力により、17年度からデジタル録音への移行を進めてまいりましたが、蔵書製作の音訳者73人全員がめでたく移行しました。
デイジー図書の編集は11年3月開始。当時の厚生省から製作用機器が貸与された翌月(すばやい!)からです。16年度までの6年間はカセットからパソコンに音を取り込み、編集、製作する形で進んできました。デジタル録音への切り替えは、予算の関係で17年度からになり、4月16日に録音室のラン工事やパソコンの設置が始まり、5月2日にほぼ終了。そして同月12日(これもすばやい!)に1人目のデジタル録音講習が行われました。その後、テープ録音とデジタル録音が平行し、徐々に、というより、かなりの速度でデジタル録音者の数が増え、18年度にテープ録音者を抜きました。そしてとうとう昨年(20年)7月に最後の1人がデジタルに移行、という経過を辿りました。
デジタル化の波におおわれたこの10年余り、パソコンのパの字も知らなかった方が殆どで、暗中模索、五里霧中、悪戦苦闘、七転八倒、奮励努力、四苦八苦、試行錯誤の繰り返しでしたが、一応の完了を見ることができました。心からお礼を申しあげます。
とは言うものの、今の体制で未来永劫、安泰という訳でもありません。著作権改正の動きは活発ですし、デジタル技術は日々、進歩しています。デイジーも例外ではありません。新たな機能も発表されています。"save as daisy"という機能を使えば、ワードで作成した文章をデイジー形式で保存し、合成音声で再生することができ、更に多種多様な製作形態が予測されます。対象も視覚障害者だけではなく、学習障害、知的障害、加えて健常者であっても場面によって録音図書を選択することも、と広がりつつあります。まさに"daisy for all"です。
世界的な大きな流れを見据えつつ、しかし、音訳の基本に忠実に、今後もより良いデイジー図書を製作していきたいと願っています。
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