音訳通信
                      


No.56 2009年3月1日発行
静岡県点字図書館音訳



  デジタル録音移行完了! 20年度のトップニュースです。インストラクタの皆様のご協力により、17年度からデジタル録音への移行を進めてまいりましたが、蔵書製作の音訳者73人全員がめでたく移行しました。

 デイジー図書の編集は11年3月開始。当時の厚生省から製作用機器が貸与された翌月(すばやい!)からです。16年度までの6年間はカセットからパソコンに音を取り込み、編集、製作する形で進んできました。デジタル録音への切り替えは、予算の関係で17年度からになり、4月16日に録音室のラン工事やパソコンの設置が始まり、5月2日にほぼ終了。そして同月12日(これもすばやい!)に1人目のデジタル録音講習が行われました。その後、テープ録音とデジタル録音が平行し、徐々に、というより、かなりの速度でデジタル録音者の数が増え、18年度にテープ録音者を抜きました。そしてとうとう昨年(20年)7月に最後の1人がデジタルに移行、という経過を辿りました。

 デジタル化の波におおわれたこの10年余り、パソコンのパの字も知らなかった方が殆どで、暗中模索、五里霧中、悪戦苦闘、七転八倒、奮励努力、四苦八苦、試行錯誤の繰り返しでしたが、一応の完了を見ることができました。心からお礼を申しあげます。

 とは言うものの、今の体制で未来永劫、安泰という訳でもありません。著作権改正の動きは活発ですし、デジタル技術は日々、進歩しています。デイジーも例外ではありません。新たな機能も発表されています。"save as daisy"という機能を使えば、ワードで作成した文章をデイジー形式で保存し、合成音声で再生することができ、更に多種多様な製作形態が予測されます。対象も視覚障害者だけではなく、学習障害、知的障害、加えて健常者であっても場面によって録音図書を選択することも、と広がりつつあります。まさに"daisy for all"です。

 世界的な大きな流れを見据えつつ、しかし、音訳の基本に忠実に、今後もより良いデイジー図書を製作していきたいと願っています。



21年度予定
 21年度計画の一部が決まりました。ご予定にいれてください。
@合同研修会
 日時 4/21(火) 10:00〜15:00
 会場 7階703 601会議室
 内容 午前(点訳と合同)      調査について
     講師 平松陽子さん
    午後(音訳)      一人一言ほか(予定)
 詳細は後日お知らせします

A音訳勉強会
 第1木と第3金の2グループです。
 時間 13:00〜15:00
 会場 集会室(予定)
 第1木(21年度名簿の奇数番号の方)    5/7 6/4 7/2 9/3 10/1 11/5 12/3 1/7 2/4 3/4
 第3金(21年度名簿の偶数番号の方)    5/15 6/19 7/17 9/18 10/16 11/20 12/18 1/15 2/19 3/19
 21年度名簿は後日配布します。

B装備・チェック
 日時 5/21(木) 8/21(金) 11/25(水) 2/22(月)10:00〜12:00
 会場 小会議室

C音訳奉仕員養成講習会
 日時 9/1〜2/9 毎週火10:00〜12:00     調査講習会10/8(木)13:00〜16:00
 回数 全25回
 会場 集会室(予定)


音訳研修会の報告
 12月5日の音訳研修会には静点奉仕員42人、地区の奉仕員37人の計79人にご参加いただきました。ギューギュー詰めの会場は、講師の恵美三紀子先生と参加者の熱意で更にヒートアップ。外の雨や雷を吹き飛ばす勢いでした。
当日の要点をまとめます。 
 ・録音図書は利用者が選択する時代になっている。あればよいの時代ではない。聞いてもらえる図書を製作しなければいけない。
 ・タイムリーであること。7〜8時間の録音図書なら2ヶ月で音訳し終え、3ヶ月後には貸出できるように。
 ・「伝える」気持ちを忘れない。「伝える」意識を持てば、声に張りが出るし、高さも変わる。
 ・ポイントをつかんで読む。留意すべき単語に注意し、それを音で伝える。

ブックレット反省会・打ち合わせの報告
 1/13の反省会には実習生4人、おねえさん5人、校正者6人にお集まりいただき、反省点、来年度への提言を話しあいました。
 実習生からもおねえさんからも、パソコン操作について講習会でもっととりあげてほしいというご意見がありました。検討します。  

 また1/19の打ち合わせは新実習生9人、新おねえさん5人、二度目のおねえさん4人(昨年度講習会修了生が5人だったため、一昨年度のおねえさんにも再度お願いしています)が出席。枠アナウンスとこれからの進め方の確認をしました。
 新実習生は1月20日から録音室で録音開始、6月30日の完成を目指してがんばっています。どうぞ、応援してください。  

デイジー編集員研修会の報告
 1/23の研修会はデイジー編集員17人全員のご出席をいただき、昨年秋発行された『デイジー図書編集事例集』をテキストに編集方法の見直しを行いました。
 音訳者にお願いしたいことを記します。
 @「録音図書凡例」を次のように変更します。校正後の原本と一緒にお渡しする凡例の用紙にご注意ください。 (斜字が追加・変更部分)

 録音図書凡例
 このデイジー図書はデイジーバージョン 2.02のフォーマットにより製作しています。  階層はレベル「  」までです。  グループチェックは「  」についておこ なっています。  「  」は内容がわかりやすい場所に挿 入してあります。
 録音図書凡例おわり

*「2.02」は「ニーテンレーニー」と読みます。
*「フォーマット」のアクセントは頭高、「フォ」が高くなります。
*「レベル」のアクセントも頭高。「レ」が高くなります。

A音訳者が録音途中で付けたマークやグループチェックは、校正後の訂正を終えた時点で(モニタに提出する時)削除してください。
 マークは編集メニューの「マーク全削除」ですべてを一度に削除できます。グループチェックは全削除機能がありません。一つ一つ削除してください。

B原本の「○ページ参照」は原本どおりに読んでください。「○章○○」などの項目には読み替えません。

C枠アナウンスの製作完了年月の「2009」年は「ニセンキュー」年と読んでください。NHKでは「ニセンク」年ですが、より正確に聞き取れるように静点では「ニセンキュー」年とします。枠アナウンス以外の箇所では、どちらで読むかその都度、ご検討ください。

D校正後の訂正でフレーズを削除する時、下から削除していくとフレーズ番号がずれないので、便利です。

校正員・モニタ研修会の報告
 2/5の出席者は23人でした。積極的なご意見をありがとうございました。
・音訳者の方へ
 校正表に従って訂正した箇所には、データに「マーク」、原本にはカギカッコをつけてください。
・校正者の方へ
 校正の段階では、既に読んである録音図書凡例に関して、コメントは不要です。

装備・チェック
 2/20はご協力ありがとうございました。新規製作デイジー28タイトル、遡及テープからのデイジー15タイトルが完成しました。

月末図書整理日のお知らせ
 毎月、最終水曜日は図書整理日です。図書館、録音室、スタジオは平常通りですが、電話が留守電となっています。  3/25 4/22 5/27
      


「音訳通信」発行:年4回(3/1 6/1 9/1 12/1)
文責:熊谷成子

静岡県点字図書館に戻る