作業療法士


本来もっている姿へと回復でき、社会へ送り出す格別な喜び。

仕事の内容
昭和41年に医療職種の1つとして誕生した作業療法士。精神障害、身体障害、発達障害、老年期障害を持つ人に対して、本来もっている機能の回復や維持、あるいはそれに代わる新たな機能の開発などの指導・援助を行っています。現在、作業療法士へのニーズは医療機関ばかりでなく、福祉や保健、そして教育の領域へと広がっています。
福祉関係の作業療法士は、病院での治療を終え、障害の回復期を過ぎた人たちに、これからハンディを持ちながら生活していくうえでの具体的な援助をします。健康・安全・生活習慣・金銭など管理面の援助やアドバイスをしたり、また、就労にむけての作業活動の援助や趣味的活動の開発、そして住宅の改造、補助具・自助具の工夫などもしています。

ある1日をふりかえって
作業療法士は、主に、身体障害者更生相談所の機能における相談、評価、そして肢体不自由者更生施設の入所者の指導を行っています。
担当する障害者の個別的な援助プログラムを障害者本人と、場合によっては家族と担当する他の職種の人たちと検討しながら作成していきます。この援助プログラムは、午前と午後の時間帯に分けられたり、また必要に応じて、退所してからの住む家、学校、職場などに出向き、今後の生活の設計に役立てられます。

ここが魅力
福祉関係の作業療法士の役割は、障害者を社会へそっと送り出す地味な仕事です。重い障害をのりこえて、社会への対応力を身につけさせる指導・援助という意義の深い仕事です。しかし、そこまでくる道程は並大抵ではありません。作業療法士の援助や工夫で、重い障害をもった人々の、地域とともに、家族とともに生活をしたいという願いをかなえてあげられる喜びは、もしかすると本人以上かもしれません。

作業療法士になるには
作業療法士養成学校の所定の課程を修了したのち、年1回行われている国家試験に合格すると作業療法士になれます。
養成校は、平成13年度現在、122校あり、ここ数年の国家試験の合格率は90%前後となっています。


Copyright(C) 1995,1996-2002 静岡県ボランティア協会
出典 「Volunteer・ガイダンス(手引き)」
Copyright(C) 1995,1996-2002 静岡県社会福祉人材センター