静岡県「福祉のまちづくり条例」
静岡県では、「福祉のまちづくり条例」が制定されました。
すべての人が個人として尊重され、等しく社会参加の機会を有し、それぞれの立場で社会に貢献し、様々な交流やふれあいの中で生きがいを持って生活することができる社会の実現は、私たちすべての願いである。
こうした社会を実現するためには、県民一人ひとりが思いやりの心を、持ってお互いを尊重しあい、障害者、高齢者等を含むだれもが自らの意思で自由に行動し、あらゆる施設を安全かつ円滑に利用することができるだれもが住みよい福祉のまちづくりを推進していくことが必要である。
ここに、私たちは、共に力を合わせ、一体となって福祉のまちづくりを推進することを決意し、この条例を制定する。
「静岡県福祉のまちづくり条例前文」より
条例の公布:平成7年10月18日
条例の施行:平成8年4月1日
だれもが住みよい福祉のまち
私たちの住むまち。「便利になったけれど、本当にこれでいいの?」。そんな疑問を感じたことありませんか。
福祉のまちづくり条例は、このような疑問にこたえ、だれもが住みよいまちを築きあげていこうとつくられました。
私たち一人ひとりが思いやりのある福祉の心を持ってお互いを尊重しあえるまち、だれもが自らの意思で自由に行動でき、あらゆる施設を安全に利用することができるまちづくりをめざしています。
具体的な施設として、多くの人が利用する図書館、集会場、金融機関、デパートなどの建物や道路、公園、駅、バスターミナルなどが対象になります。
お年寄りや障害を持った方を含むすべての人が、日常生活を不自由なく過ごすことのできる「利用しやすい施設づくり」を県や市町村だけでなく、事業者や県民の皆さんと一緒に進めていきます。
平成7年度「人にやさしい県有施設改善事業」小規模改善工事実施箇所一覧表
平成8年度「人にやさしい県有施設改善事業」小規模改善工事決定箇所一覧表
●増やそう身近な施設いろいろ
●みんなの協力が必要です
●届け出が必要な施設
●施設整備資金利子補給制度

●増やそう!身近な施設いろいろ
- ゆったりとした歩道
- 幅が2m以上ある歩道。人通りや交通量の多いところでは、点字ブロックが目の不自由な方の安全を守る。歩道には障害となるものを置かないようにする。
- ひろびろとしたトイレ
- だれでも使えるトイレ。入口や中が広く、開け閉めしやすい扉やいろんな補助器具がついてとても便利。人が多く集まる場所には1つ以上はほしい。
- 快適なエレベーター
- 低い位置の押しボタンや音声で階を知らせるエレベーター。乗り降りをやさしくしてくれる。多くの人が利用する施設などでは、設置を増やしてほしいもののひとつ。
- ゆるやかなスロープ
- 車いすやお年寄りでも上り下りが楽なスロープ。途中に踊り場があって、傾斜もゆるやかなものがいい。歩行を助ける手すりなどがあればより安心。
- 使いやすい階段
- 両側に手すりのある階段。目の不自由な方やお年寄りでも安全に上り下りができる。また、階段の手前の点字ブロックが注意を知らせてくれる。
- 通りやすい出入り口
- 自動ドアなどの出入り口。幅が80cm以上あれば、だれもが通りやすい。受付などへの点字ブロックや入口近くの音声案内がやさしく誘導してくれる。
●みんなの協力が必要です
- 県・市町村
- 条例によって道路、公園、建物などの公共施設の早急な改善と整備の促進に努めます。
- 事業者
- だれもが安心して利用できるよう施設などの整備に努めましょう。
- 県では施設整備を進んで行う事業者などを支援します。
- 県民
- 自ら進んで福祉のまちづくりを学び、困っている方がいたらおもいやりの心で接しましょう。
●届け出が必要な施設
対象となる施設などを新築、改築する場合、建築確認申請と同じように届け出が必要です。詳しくは住まいの市町村建築担当の窓口までどうぞ。
届け出前に、整備基準について詳しく掲載している「公共的施設整備計画表」(市町村に備えつけ)で、事業者の皆さんが自ら整備計画をチェックして、ひとにやさしい施設づくりをしていきましょう。
整備計画どおりに完成した施設などには、申請によって適合証の交付を受けることができます。
●対象となる施設一覧
届け出が必要な施設 | 規模 |
市役所や保健所等の公共施設、小・中・高校等の教育施設、図書館、博物館、美術館等文化施設、公会堂・集会場、公衆便所・仮想場、地下街など |
全施設 |
老人ホーム・児童館等の社会福祉施設、病院・診療所等の医療施設、電機・電話・ガス等の公共事業の店舗、社会福祉協議会・商工会議所等の公共的団体の事務所、郵便局、金融機関の店舗など |
300平方m以上 |
鉄道やバス等の公共交通機関の駅やターミナル |
全施設 |
国、県、市町村の道路 |
全施設 |
専修学校・各種学校、ホテル・旅館、映画館・ゲームセンター等の娯楽施設、公衆浴場、百貨店・マーケット等の物品販売店舗、飲食店・喫茶店、理髪店・クリーニング店・旅行代理店等のサービス業店舗、一般有料駐車場など |
500平方m以上 |
展示場、体育館・ボウリング場・水泳場等のスポーツ・レクリエーション施設、複合施設など |
1,000平方m |
共同住宅(51戸以上) |
51戸以上 |
都市公園・児童公園・港湾緑地・動物園・植物園など |
全施設(一部2,500平方m以上) |
路外駐車場 |
500平方m以上 |
●施設整備資金利子補給制度
- 助成対象者
- 条例の整備基準に基づき施設の整備を行う事業者(大企業は除く)
- 対象事業
- 新規、既設の施設整備事業
- 制度内容
- 自己負担率が2.5%となるよう利子補給する(3.0%限度)
- 対象事業費は、1施設あたり100万円以上1億円まで
- 利子補給機関は5年間
- この他、既成の市町村右折の整備、駅舎にエレベーターの設置などへの助成制度があります。
お問い合わせ
静岡県民生部障害福祉課
〒420 静岡市追手町9−6
TEL:054−221−2008・2366
FAX:054−221−3267
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Copyright(C) 1996 静岡県
出典:静岡県広報紙「県民だより」4月号
静岡県福祉のまちづくり条例/静岡県福祉のまちづくり条例施行規則
みんなで築くだれもが住みよい福祉のまちづくり条例のあらまし
静岡県福祉のまちづくり条例整備基準・整備計画の届け出