点字プリンタ Q&A (96年7月)

Q:貴方  D:増本

Q:前回のデジタルの話は大変勉強になりました。お陰で総会の時の石川先生の「デジ

タル録音」の話もよくわかりました。

D:それは良かったですね。

Q:ところで、最近Dさんの勤め先に点字プリンタが入ったと聞きましたが、今までの

物とは違うのですか?

D:今まであった物はJTRのESA721とテクノエイドのBT3000でした。今

度入った物はインデックス社(スウェーデン)のブレイルエベレストというものです。

Q:あまり聞いたことのないプリンタですが、何か特長があるのですか? 

D:今までの物とはいくつか異なった特長を持っています。

Q:それは是非聞きたいですね。

D:まず最大の特長は単票(一般に点字紙と呼ばれている紙など)に連続印刷ができる

ということでしょうか。

Q:それは便利ですね。連続用紙(いわゆる点字プリンタ用紙)を使った場合には印刷

終了後にミシン目を手作業で切り離さなければなりませんからね。

D:意外とこの作業が面倒なことがありますね。

Q:それからESA721とかBT3000は両面同時印刷ができませんね。ですから

、表面の印刷が終った後、プリンタ用紙をはずして裏面をセットし再度印刷を実行しな

いといけませんが、エベレストはどうですか?

D:もちろん両面同時印刷が可能です。しかも、印字タイプをインターラインとインタ

ーポイントのどちらかに選択できます。

Q:そのインターラインとかインターポイントとは何ですか。

D:インターラインというのは行と行の間に裏面の行を印刷する方法です。

Q:つまり点字板を用いて書いたときと同じ書き方ということですね。

D:そういうことになりますね。ところが、インターポイントというのは点と点の間に

裏面の点字を打っていく方法です。

Q:そういえば、そんな印刷を見たことがありますよ。

D:「点字毎日」などはインターポイント印刷の代表的なものでしょうね。この方法だ

と1ページに印刷できる行数が増えますので、ページ数が少なくてすみ本もそれだけう

すくなります。

Q:紙の節約にもなりますからね。

D:ただインターポイントですと行間隔が狭いために点字の初心者には「読みにくい」

と嫌われることもあります。

Q:その他にはどんな特長がありますか?

D:点字の大きさを国際サイズと日本サイズに切り換えたり、図形を描くときのために

点字の間隔を変えたりすることもできます。

Q:触読が不得手の人のために点字を大きくしたり、点の間を広くしたりすることも可

能ということですね。

D:更にこのプリンタには余計な余白を削除してレイアウトを自動的につくったり、単

語の途中で行がえとなった場合には単語全体を次行に移すいわゆるワードラップ(BA

SEをお使いの方はご存じの言葉ですね)という設定も可能です。

Q:いろいろな機能があるのですね。

D:また、点字で約400ページ分の記憶容量がありますので、パソコンからデータを

送信してしまえばパソコンは必要ないことにもなります。

Q:パソコンを占有することが少なくなるということですね。

D:それから、このプリンタには視覚障害者でも自由に使えるように全ての設定が音声

で確認できるようになっています。もちろん各キーのところには点字表示もなされてい

ます。

Q:いろいろと使いやすいようになっているようですが価格の方はどのくらいなのでし

ょうか。

D:定価は70万円ですが購入先によって若干異なるようです。

Q:そうそう大きさと形状をうかがうのを忘れていました。

D:形はタテ型です。ガスストーブのような形を想像していただくとよいかもしれませ

ん。寸法は幅56.3cm、奥行17.5cm、高さ43.3cm、重さは13.9kgです。

Q:一度見せていただきたいですね。

D:どうぞ、私があいている時間であればいつでも結構です。

 ところで、最近個人ニーズに対応した点字プリンタが発売されました。本誌をお読み

の視覚障害者も多いことですので、それについても紹介しておきましょう。

Q:是非お願いします。

D:それはレンテック社から発売されたTEN−10というプリンタです。 おもな特長

はまず価格が安いということと、操作が簡単ということです。

Q:というと?

D:価格は35万円(ただし視覚障害者が購入の場合は32万円)です。点字プリント

を主としたプリンタでは国産では一番安いと思います。次に操作の簡便さですが、この

プリンタはハガキサイズからA4サイズまでの紙と、ハガキやタックシールといった厚

目の紙まで印字が可能ですが、紙の大きさや厚さが変わっても設定の必要はなくセット

すれば自動的に設定され、あとはスタートボタンを押すだけという簡単さです。

Q:単票専用ですか?

D:そうです。なお本誌9号でお知らせしたリコーの「点図くん」と同じようにプロッ

ターによる描画処理も可能です。

Q:印字速度はどのくらいですか。

D:そこがやや弱点ですね。つまり1秒に約3文字です。したがって32文字22行で

約3分30秒かかります。

Q:あくまで個人用ですね。

D:そうだと思います。なお、片面ずつですが両面印刷が可能です。裏面のときは自動

的に印字開始位置を設定します。

Q:BT3000や、TP32などと同じですね。寸法はどのくらいですか。

D:幅46cm、高さ17cm、奥行30cmで重量は10Kgあります。

Q:このところ新しいものがいろいろとでてきますね。          

D:これからますます楽しみです。

Q:では今日はこのへんで失礼します。

 


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