問1.小児がん患者へのターミナルケア、トータルケアに関して
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専門医 |
専門外医師 |
興味がある |
9人 |
6人 |
興味がない |
0人 |
0人 |
どちらともいえない |
1人 |
7人 |
問2.現在の医療現場で小児がん患者へのターミナルケア、トータルケアに関して
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専門医 |
専門外医師 |
興味がある |
8人 |
1人 |
興味がない |
1人 |
0人 |
どちらともいえない |
1人 |
11人 |
問3.小児がん患者への、本当の病名告知について、どのように思われますか?
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専門医 |
専門外医師 |
原則として告知するべきである |
9人 |
4人 |
条件がみたされれば告知してよい |
1人 |
7人 |
原則として告知するべきではない |
0人 |
0人 |
わからない |
0人 |
2人 |
問4.告知するための条件は?(複数回答可)
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専門医 |
専門外医師 |
告知後の精神面も含めた医療体制の整備 |
8人 |
11人 |
両親の賛成が得られれば |
8人 |
9人 |
病名が理解できるなら |
2人 |
4人 |
告知をしないと治療や検査に協力が得られない場合 |
4人 |
6人 |
治癒が期待できる場合 |
0人 |
3人 |
一定年令以上 |
4人 |
1人 |
治癒の望みがなくターミナルケアに移るとき |
0人 |
3人 |
その他 |
0人 |
1人 |
問5.実際に本当の病名を告知したことがありますか?
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専門医 |
専門外医師 |
ある |
9人 |
3人 |
ない |
0人 |
9人 |
問6.病名を告知した時に良かった点やまずかった点(自由記載)
- 検査、治療に本人がよく関わることができたようでした
- 患児に対して隠し事や、ごまかしたりしなくてすむ
- ふさぎこんでしまった。もう少し取り囲む体制をつくってから、もう少し遠回しな言い方をすべきであったかと考えています
- 信頼関係が向上した
- 本人とのコミュニケーションが良好になる
- 精神面をどのように支えるか、医療チームとしてのスキルアップが必要
- 治療への自主的参加が可能になる
- 本人と近くなった気がします
- 積極性が現れた
- 脳幹部腫瘍のようにかなり予後が悪い場合、両親は本人に話をするのを拒否する場合が多い
- コメディカルを含めた医療スタッフの協力がスムーズに得られた
- 患児ならびにご家族の病気にたいする理解力が高まった
問7.告知すべきでないと考える理由(自由記載)
今回は告知するべきではないという回答者はなく、この質問への記載はなかった。
問8.治癒率が何%あれば積極的な治療を勧めますか?
専門医の回答で最も低い値は5-10%、最も高い値は30-40%であった。専門外医師の回答では最も低い値は1%、高い値は80%と幅は大きかったが、回答をいただいた13名の内8名は30-50%の間の値であった。
問9.患児の臨終の場所としてはどこか適当だと思われますか?
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専門医 |
専門外医師 |
患児の望むところ |
6人 |
9人 |
病院 |
0人 |
0人 |
自宅 |
2人 |
2人 |
ホスピス |
0人 |
1人 |
両親の望むところ |
2人 |
1人 |
わからない |
0人 |
2人 |
その他 |
0人 |
0人 |
問10.実際に患児の自宅で臨終を迎えさせてあげたことがありますか?
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専門医 |
専門外医師 |
ある |
5人 |
0人 |
ない |
3人 |
12人 |
問11.実際に患児を自宅で臨終を迎えさせてみての、良かった点や問題点(自由記載)
- 静かで平和な時間があること
- 本人、家族の満足度が高い
- バックアップ体制をどのように整えるかが問題
- 暖かい空気 家族が自然に処置を行えた
- 本人が会いたい友だちに会えた
- 子どもが安心する 笑顔が現れる
- 残された兄弟、両親の死の受容が多くなる
- 病院と地域との協力体制の充実
問12.ターミナルケア、トータルケアについての意見(自由記載)
- 人工換気の必要な児であっても、できれば自宅にてターミナルをむかえさせてあげたい
- 晩期障害のことが知りたい
- 患児の気持ちを最優先できる体制
- 医療者の考えをおしつけるのではなく、いろいろな選択肢の中から本人、家族にとって一番良い方法はどれかを一緒に探っていくべきだと考えています
考察:
今回のアンケート調査は、残念ながら回収率が約15%と低かった。特に専門外の小児科医の回答数が少なかったため考察を加えることは控える。上記の結果をみていただき、それぞれで解釈をしていただきたい。ただし専門医の回答数は93年調査(13名)とほぼ同数であり、専門医の意識の変化については若干の知見が得られたと考えている。
まず患児への病名告知について、93年調査では原則として告知すべきである(4名)と考える医師よりも、条件付きで告知(9名)のほうが多数であった。それと比較し、今回の調査では回答者10名の内9名が原則として告知すべきである、と考えている。また実際の告知の経験がある医師は、93年調査では13名中8名であったのに対し、今回の調査では回答者9名全員が告知の経験があった。自宅で臨終を迎えさせたことのある医師は、93年調査では専門医12名中5名であったが、今回は回答者8名中5名であった。
今回の結果から、この10年間に専門医のがんの子どものターミナルケア、トータルケアに関する変化は、病名告知に対する考え方、実際の告知経験、及び在宅ターミナルケアへの姿勢、にみられることが明らかになった。
本調査結果については、一部を2003年11月に東京にて開催された第19回日本小児がん学会にて天野が発表した。