浜松医科大学小児科 本郷輝明
(がんの子どものターミナルケア・トータルケア研究会世話人代表)
がんの子どものターミナルケア・トータルケア研究会世話人を代表して、ホームページ作成によせてご挨拶申し上げます。
本研究会は平成5年3月に第1回を開催してから、今年(平成15年)6月に第19回を行い、これまでちょうど10年間続けて来ました。この研究会は最初、がんの子どもを治療している静岡県下の医療機関のドクター、ナースが集まり、質の高いターミナルケア・トータルケアを実現するための、発表と討論の場として発足しました。はじめは手探りの状態でしたので、研修医や新人看護師や学生の教育の場として、もちろん我々スタッフの教育の場としても機能出来るようにしたいと考えていました。幸いこの10年間で、がんの子どもの治療に関わる医療スタッフの交流の場として十分に機能し、さらに大変ユニークな研究会に成長してきました。これは参加者の熱意と活発な討論、新しい考えを素直に吸収しようとする柔軟な思考が、この研究会を生き生きとしたものに育ててきたのだと思います。是非この姿勢をこれからも継続し、内容の一部をインターネット上に公開しさらなる発展を目指したいと考えています。
本研究会のメンバーは、子どもへの病気説明と子ども自身による治療選択、在宅ターミナルケアの実践、治癒を目指す医療とケア主体の医療との区別とケアの質的向上、患者自身と親への積極的支援、など、当時の日本の実状からするとかなり先駆的な考えを取り入れてこの10年間実践してきました。これは新しい物好きで行ったのではなく、子ども達の病気と闘う姿をみて、この方が自然な姿であろうと確信したので踏み切りました。そしてそうすることにより、かえって我々医療者の方が、子どもの勇気や決断力、挑戦する力から強い影響を受け、「生きる」力をもらい、医療人としての喜びを知ることが出来ました。
この研究会で発表した内容の一部は以前記録集として残しました。また一部は論文としてまとめ学会誌に発表したものもあります。さらにこの活動は、他の地域の人たちにターミナルケア・トータルケアの大切さを知らせる役割も果たしました。例えば「絵本によるデス・エデュケーション」のように、マスコミに取り上げられ、この分野で先駆的役割を果たしたりもしました。これからも新しい考えを積極的に取り上げて、日本のがんの子どものターミナルケア・トータルケアの姿を刷新していきたいと思います。
是非色々な方からのご意見をお待ちしています。 (平成15年11月)
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ご挨拶
とのうち小児科 殿内力
『がんの子どものターミナルケア・トータルケア研究会』のホームページ開設、おめでとうございます。本会の設立に関わった一人として、お祝いを述べる機会を与えられたことをたいへん光栄に存じます。
何事も、始めることより続けていくことの方がより多くの労力を必要とします。この10年間、足跡を刻み続けたご関係の皆さまの努力に敬意を表します。 私がこども病院を辞し開業してから、まる9年が経ちました。在職当時は医療関係者と患者・家族が、一丸となって病気に立ち向かっているという実感をもって診療に当たっていました。今ではなかなか味わえない濃密な親近感が懐かしく思い起こされます。
ターミナルケアに関わる医療スタッフは昼夜の別なく働き、つねにストレスにさらされています。患者をケアするスタッフの心のケアも重要な課題であると思います。最近の現場を知らない立場から、杞憂だとは思いつつも、その面でのサポート態勢も万全であることを願ってやみません。
昨年結婚式に参加させていただいた往時の受け持ち患者さんから、赤ちゃんが産まれたという報告が届きました。患者さんから授かる感動を糧に、皆さまが日々精進されている姿が思い描かれるようです。 (平成15年11月)
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がんの子どものターミナルケア・トータルケア研究会会則
第1条
(名称) |
本会は、がんの子どものターミナルケア・トータルケア研究会と称する。 |
第2条
(事務局) |
本会は、事務局を静岡県立こども病院血液腫瘍科におく |
第3条
(目的) |
本会は、小児がんの子どもたちとその家族の生活の質の向上を目的とし、主に患者および家族の精神面および生活の援助に関する発表あるいは意見交換の場とする。 |
第4条
(会員) |
会員は、原則として本会の目的に賛同する医師、看護師コメディカル、および学生その他とする。また、会員名簿は別途作製する。また、本会に賛助会員をおくことができる。 |
第5条
(会費) |
会員の会費は、参加ごとに1回1000円とする。 |
第6条
(役員) |
本会には次の役員をおく。
(1)代表世話人 1名
(2)世話人 若干名 |
第7条
(役員の選出) |
1. |
代表世話人・世話人は会員各施設から1ないし2名を選出し、世話人会の議を経て決定する。 |
1. |
代表世話人・世話人の変更については、世話人会を開催して決める。 |
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第8条
(役員の職務) |
1. |
代表世話人は本会を代表し、その業務を総括する。 |
1. |
世話人は役員会を組織し、本会の業務が円滑に進むよう配慮し、問題点について討議・検討する。 |
1. |
本会に監事を1名おく。 |
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第9条
(役員の任期) |
1. |
代表世話人の任期は2年とする。再任は1回のみ認められる。 |
1. |
世話人の任期は5年とする。 |
|
第10条
(運営) |
1. |
本会は、原則として年2回の開催とし、世話人会で会開催の当番世話人を決める。当番世話人が開催時期と会の内容を決める。 |
|
第11条
(会計) |
1. |
本会の会計年度は毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。 |
1. |
本会の経費は会費、寄付金およびその他の収入を持ってこれに当てる。ただし学生会員からは会費は徴収しない。 |
1. |
会の予算および決算は世話人会の決議を得るものとする。なお、事務局で会費の管理を行う。 |
|
第12条
(会則の変更) |
本会則の変更は世話人会の議を経て変更すことが出来る。 |
第13条
(細則) |
本会会則の細則は、世話人会の議を経て別途定める。 |
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世話人表
(平成17年8月現在)
代表世話人 |
静岡県立こども病院 |
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血液腫瘍科 |
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堀越 泰雄 |
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監事 |
聖隷三方原病院 |
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ホスピス科 |
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天野 功二 |
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世話人 |
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静岡県立こども病院 |
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幼児学童病棟 |
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天野 歌子 |
磐田市立総合病院 |
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小児科 |
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本郷 輝明 |
浜松医科大学 |
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看護学科 |
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大見 サキエ |
浜松医科大学 |
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東5病棟 |
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平野 一美 |
県西部浜松医療センター |
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小児科 |
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矢島 周平 |
聖隷浜松病院 |
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小児科 |
 |
松林 正 |
聖隷浜松病院 |
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C4病棟 |
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森本 俊子 |
静岡県立短期大学 |
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看護学部 |
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金城 やす子 |
静岡県立静岡がんセンター |
4東病棟 |
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藤井 縁 |
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