静岡市北、季節だより  112(2016年5月)

思い出の初夏の味覚は、桑の実だった。(2016年 5月28日)

 メーリングの皆さんこんにちは。
 静岡の西川です。
 季節が過ぎるのは早いものです。
周りの山々も新緑から一気に濃い緑にと変ってきました。
 さて、初夏の味覚といいましたら皆さんは、どんな食べ物を思い浮かべますか。
 サクランボにみずみずしいびわに、甘い夏みかんに、そして、葉生姜に初がつをなどなどあげたらきりがありません。

 さて、今日は初夏の食べ物というほどの大げさのものではありませんが、桑の実の話です。
 私が毎朝通っている道の脇に、近くの家の垣ねごしに桑ノ木の大きな枝が垂れさがっています。
 その桑ノ木の枝に数日前から桑の実が熟し始めたのです。
 毎朝私はその桑ノ木の前にくると紫色に熟した桑の実を一粒づつ失敬しては口の中にほうばって仕事に出かけて行くのです。
 まあ、大した話ではありませんが、桑の実を口の中にほおばったことで遠い昔の子供のころを思い出すのです。
 私達の子供の頃には今のように何でも手に入る時代ではありませんでした。
 私の在所は静岡市内ですが、家の近くには、谷津山という小高い山がありまして、
そこには大きな桑ノ木がありました。
初夏をむかえるとみんなで桑の実をとりに行くのです。木によじ登って実をとっては下になげる子供、その桑の実を下でひろう子供
みんな夢中になって桑の実をとりました。
とった桑の実は後でみんなで食べるのですが、みな桑の実を食べすぎてしまい、口の周りが紫色になってしまうのです。
そんなこんなでお互いに、口の周りが紫色になってしまったことでみんなで大笑いしたことをいまでも思い出します。
 山にも、そのほかに山イチゴや、木イチゴや、ハチコウなど自然の恵がいっぱいでした。今のように物が溢れて何でも手に入る時代ではありませんでしたが、心だけはみな豊でした。とてもいい時代を過ごすことができたと今でも思い出します。
 皆さんの思い出はいかがでしょうか。
 ところで、桑の実の味はといいますと、紫色に熟した桑の実はちょっと青くささと酸味が残りますがとても甘いです。
それと粒粒を歯で噛むと小さな種のようなものがジャリジャリと口の中に残る触感がたまりません
 皆さんの中にもきっと私とおなじように大勢の皆さんが桑の実を食べた思い出があるのでしょう。
 今では、近くの桑ノ木の葉っぱも青青と大きく茂って、初夏の風にゆらゆらと揺れています。
そして今年も、家のちかくには、一昨日よりこちらも初夏の風物詩といわれる、ホトトギスがやってきました。
裏山には毎朝毎晩あの爽やかな「テッペンカケタカー」のホトトギスの鳴声が緑の山々にこだましています。

 では、急に暑くなってきました。
皆さんも健康には留意してお過ごし下さい。
 平成28年5月28日 西川
 

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