静岡市北、季節だより  116(2016年12月)

歳の瀬/今年一年お世話になりました(2016年12月30日)

CATS−MLの皆さんこんにちは。
 静岡の西川です。
 今年も残すところあと一日となりました。
 今年一年、お世話になりました。
 今日は在所の兄が体調不良でケアホームに入居しているので見舞いに出かけました。
そこで近所のバス停で何度かお会いしたおばあさん。
尋ねると福島県に住んでいて
あの東日本の大震災で津波でみんなもっていかれたというのです。
 今は娘さんのところに世話になっているのですが、娘さんが帰ってくるころいつもバス停でまっているというのです。
 静岡は福島にくらべて冬は暖かいし、それに静岡のヒトは皆穏やかで優しいからとてもありがたいと話していました。
 そんな話を聞いてバスを待っているヒトたちも涙を流していました。
  
 さて、明日は大晦日です。
振り替えれば今年もいろいろなことがありました。
事故に事件に災害に、それにテロに紛争といろいろなできごとがありました。
上げてみれば切りがありません。
  中には悲しい事件や事故も多かったです。
 明るいニュースもあったのですが、あまりにも暗いニュースが多くてみんなかき消されてしまったように思いました。
私にとって悲しかった出来事は、10代からずっと聞き続けてきたアメリカのカントリーウェスタンや、ブルーズを歌ったマールハガードさんが4月に肺炎のため79歳で亡くなったことです。
彼は「オーキー」といってオクラホマ出身のシンガーソングライターでした。
彼は子供の頃に父を自動車事故で亡くしその後少年の頃は強盗犯罪に手をそめたりして刑務所生活の明け暮れでした。
そんな時暗い獄中に慰問行事に訪れた、ジョニーキャッシュの歌を聞いてマールは心を改めたことで、模範囚として仮釈放されたのです。
その後、歌のうまかったマールは肉体労働をしながら労働者や、社会からとり残された人達の代わりにメッセージソングを歌い続けたのです。
若い頃から社会の苦しみを背負った彼の歌には愁いがあるというか説得力もあり聞きこんで
しまいます。
 マールハガードの恩師ともいわれたジョニーキャッシュもまたおなじように獄中を経験し、社会のどん底からはいあがったヒーローでした。
 それから、芸能会では大好きだった平幹二朗さんが亡くなりました。
若い頃映画で見た「三匹のサムライ」や、NHKテレビの大河ドラマでは、仙台藩伊達家の御家騒
動をもとにした「モミの木は残った」では、吉永小百合さんや栗原こまきさんとの競演が印象に残っています。

こんな昔の話ですが、なにか懐かしく思い出されます。
 登山界では、田部井淳子さんが亡くなりました。
静岡に講演会に来たときに話を聞きに行ったことがありましたが、講演が終えてから少し身近に拝見することができました。
その時思ったことはあの小さな体でどこにあのパワーがひめられているのかと感心したことを今でも覚えています。
 亡くなった方ばかりの話題が多くてすいませんでしたが、 嬉しいニュースではゴブディランさんがノーベル文学賞を受賞して世界中を驚かせました。
 
私は若い頃のディランのあのダミー声の歌い方にはあまり好きにはなれなかったのですが、今では年を重ねるごとに歌い方にも深みを増して説得力も増してきました。
 なぜゴブディランがノーベル文学賞といいますと、彼の歌の歌詞には音楽をとおして、若い頃から長いあいだ社会へのまた平和へのメッセージを送り続けるそのすがたに世界中から評価されたのでしょうか。
 熊本地震ではじまり、糸魚川での大規模火災に終わり、3日前には茨城でも大きな地震がありました。
障害者施設を襲った無差別殺傷事件など暗いニュースもありましたが、来年は明るいニュースがとびかう世の中を願ってやみません。
  明日は大晦日、こんなことを考えながら歳の瀬を過ごしています。

 では、皆さん良い年をお迎くださいませ。

 平成28年12月30日 西川義雄

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