静岡市北、季節だより 45 「早春の山里に響きわたる、梅ヶ島神楽。(2010年 3月18日)」

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早春の山里に響きわたる、梅ヶ島神楽。(2010年 3月18日)
CATS-MLの皆さん、こんばんは。
 静岡の西川です。
 静岡では、早や、桜の開花が気になる季節となりましたが。
 皆さんの周りでは如何ですか。
 さて、先日、神楽の里。早春の梅ヶ島新田を訪れました。
 静岡市中深部より約40キロ、標高1000メートル。
安倍川の源流近くの梅ヶ島ではようやく周りの山の雪も溶け初め、里には梅の花も咲いて、やっと遅い春がやって来ました。
 そして梅ヶ島に春を告げる、稲荷神社の初午祭(はつうまさい)が開かれました。
 静岡県の、中部地方は昔から神楽が盛んな地域で、駿河神楽と呼ばれてきましたが、
この安倍川流域の神楽は、梅ヶ島新田神楽(シンデンカグラ)といわれて静岡市の無形文化財にも指定されています。
 梅ヶ島新田の稲荷神社は、新田の山の中腹にあり、静岡駅からバスに揺られること
約2時間。
 新田で降りて、神社入口の鳥居をくぐるといきなり恐ろしく見上げるほどの急な階段に驚きます。
 登っても登っても切りがない。
こんな急な石段を造った昔の人は偉いものだと感心しながら登ること十数分。
急で狭く長い長い石段が続き、息も切れ、足がつってしま
いそうになるころやっとの思いでうっそうとした椙林の中の稲荷神社に着きました。
 ぱちぱちと音を立てて燃え盛る椙の焚きぎに、林を抜ける風の音が幻想的です。
 無事に神事が終えると、いよいよ伝統の神楽が始まります。
 早春の山里に響き渡る、神楽の響きにうっとり。
今も昔も変わらぬ神楽の響きに、なにか懐かしさと、遠い昔が偲ばれます。 
 お神酒や、甘酒の持て成しも手伝って、しばし神楽の笛の音に酔いしれました。
 山々に、繰り返し繰り返し奏でる神楽の響きに、現代人になにか忘れてしまった遠い昔を思いおこします。
 神楽が終えて山を下ると、梅ヶ島の山里は今が梅が満開。
間近にはまだ雪が残った山伏岳(2014メートル)が見えました。
そして南向きに大きくひらけた新田の集落は汗が出るほど暖かくなっていました。
 帰りは近くの、金山温泉に大きな湯船に一人風呂で大満足。
 温泉を出てからは、最終バスに間に合わせて安倍川沿いに赤水の滝を経て、梅ヶ島梅園までウォークを楽しみました。
とっぷりと暮た帰りのバスの車窓には、点在する集落の灯りが過ぎ去っていきました。

 近くには、梅ヶ島温泉をはじめ、山伏岳(ヤンブシダケ)、八鉱嶺(ハッコウレイ)、安倍峠など山の好きな人には興味がつきません。
また、安倍の大滝、赤水の滝。
梅ヶ島梅園などなど見所も多いです。
 神社には狭くて急な石段が続きますが、手すりがありますから安全です。但し、膝の悪いかたは無理です。

 4月4日(日)午前9時30分から、11時30分まで約2時間。
 「静岡浅間神社の大祭・廿日会祭(はつかえさい)」では、神社の舞殿でこの伝統ある、梅ヶ島新田神楽を奉納すると聞きました。
興味のある方はぜひどうぞ。

 「受けつごう郷土の祭・梅ヶ島新田神楽」
 昔、この村に悪疫が流行したため、村人はもと鎌倉の高僧で、当時江戸の小石川寺の住職に相談したところ、この地に、稲荷を祀っり(まつり)なさいと言われ、
早速、稲荷神社を創建したところ、疫病が治まったとか。
 この村に足を運んだ和尚が悪疫の元であるクダギツネを稲荷神社に祀り(まつり)込めたため疫病が治まったとかいわれています。
 そして、初午の日に、お礼のため神社にお供物をそなえ祭礼を行うようにしたことが、神楽の始まりと言われているようです。
 こんな話を、インターネットや、地元の皆さんから聞きました。

 皆さんも、郷土の話題をお聞かせ下さい。

 インターネットで、
 「梅ヶ島新田神楽」・「梅ヶ島温泉」・「山伏岳」・「大谷崩れ」・「赤水の滝」などなどと、検索すれば、いろいろな話題が得られます。

 3月17日。静岡で桜の開花宣言がありました。
 友人から、城北公園でも桜ちらほらと聞きました。
3月17日 西川義雄


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