CATSのボスの遠聞近触 24 「スマートホンの活用」


 明けましておめでとうございます。
毎年、新年に思うこと。
それは「かけがえのない地球の自然環境」そして「奇跡としか言えない、地球上の多種多様の生き物の存在」
この環境が永久(とわ」に存続することへの願いです。
この地球が、これからの社会を担う子どもたちに、今後生まれてくる子どもたちに、そして全ての生物(いきもの)たちにとって生き易く、穏やかな環境であってほしいと願わずにはいられません。

 ところで、boss22では、夢の中の出来事として、近未来の視覚障碍者ICT支援システムに触れました。
またboss23では、視覚障碍者へのICTサポートの必要性を記しました。
そして昨年9月の静岡での「ITもろもろ研修会」では、視覚障碍者のICT支援の現状や基礎的情報を話させていただきました。
さて今回ですが、やはり再度ICT、特にその後の現状について触れないわけにはいきません。
 それはタブレット端末やスマートホンが、視覚代行機器として、ますますその重要性を増しているからです。
 2016年に開業予定の「神戸アイセンター(仮称)」では、IPSによる再生治療とともに、もう一つの柱として、スマートホンなどのICT操作支援を挙げています。
また東京の眼科医もiPhoneをを主とした視覚障碍者への活用セミナーを積極的に開催しています。
 では視覚障碍者がスマートホンを使うと、どんなことが可能になるのでしょうか。
メールやWeb検索をはじめ、時刻や天気の情報、予定などの行動管理や住所管理、方角確認などなど、スマートホンに搭載されている機能のほとんどは音声ガイドを頼りに操作が可能となっています。
 しかし、視覚障碍者にとってのスマートホンの活用価値は、こうした基本機能だけではありません。
実はスマートホンなどには、視覚障碍を補助する視覚代行プログラムとしての追加アプリケーションが多数公開されています。
 こうしたプログラムを使うことで、見えない、あるいは見えにくいための不便さが解消あるいは軽減していくのです。
 特に携帯性に優れたスマートホンは、視覚障碍者の行動を支える大きな力になりうるのです。
例えばナビアプリは、行動に合わせ付近の建物や信号、道路などの情報をリアルタイムに音声で教えてくれます。
また目的地を設定すれば、その場所まで音声で誘導し、目的地点をピンポイントで教えてくれるため、大きな建物でも、入り口などに正確にたどりつくことができます。
こうした機能によって、道を迷わなくなったり、帰宅の際に正しく玄関の位置まで戻れるようになったと喜んでいる視覚障碍者もいます。
またカメラに写った画像を説明してくれるアプリや、カメラを通して直接ボランティアがサポートしてくれるシステム(アプリけーしょん)もあり、これらを使うことで、周りの様子を確認しながら行動することができるようになります。
また交通機関の時刻表も、一覧はもとより、その時点での発車時刻や、発車までの残り時間、乗換方法などといったことが、音声で確認できるため、外出時には大変役立つものとなっています。
 この他、色彩や紙幣識別などなど、視覚障碍者の外出を支援するプログラムは多数公開されています。
もちろん、こうした視覚障碍者に特化したアプリ以外でも、利用できる生活に便利なアプリは多数見受けられます。
特に話しかけた言葉を理解し、それに対する答えや、操作を実行してくれる機能は大変便利です。
例えば「○○さんに電話」と語りかければ、電話を掛けられますし、また「○○さんにメール」と話しかければ、宛先や題名、本文なども、声による対話方式で文字入力や送信操作まで可能です。天気や時刻の確認、またスケジュール管理など、音声による対話形式で確認や操作が可能です。
これは画面の確認ができないため、操作に困難を感ずる
視覚障碍者にとって大変便利な機能です、
 また印刷物や掲示物に記されている文字などもスマートホンのカメラを向けるだけでリアルタイムニ読み上げてくれるアプリけーしょんも登場しています。
 ここに紹介したものはスマートホンの活用事例のほんの一部でしかありません。
この他にも、視覚障碍者にとっての便利なアプリは多数存在しています。
それらを活用できれば、視覚代行ツールとして大きな威力を発揮することは間違いありません。
 とは言ってもタブレットやスマートホンは、真っ平らな画面のタッチ操作やジェスチャー操作が基本となります。
 そのため当然導入時期には本人の、それなりの練習と、それをサポートしてくれる人(マンパワー)が必須です。
 今後、徐々に視覚障碍者のスマートホン利用も増えていくことでしょう。
そうなればICTサポータの存在は今後ますます重要になっていくと考えられます。
 興味や関心を持たれた方、サポートに協力できる方、是非連絡をお待ちします。


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